秘書の転職や異動!上司が変わったらここを押さえるべし

秘書のみなさん、こんにちは。サヤです。

私は秘書として3度の転職を経験しています。
経験上、転職を機に上司が変わる際に「しておいてよかった」「しておけばよかった」と感じることがありました。

今回の記事では、これらを入社前~入社後の時系列で紹介させて頂きます。
転職を控えている秘書さんや、転職したばかりの秘書さんの参考になれば幸いです。

【入社前】転職先の会社で使用しているデジタル・カレンダーのチェック

最近はスケジュール管理にデジタル・カレンダーを使用している会社も多いかと思います。

デジタルリテラシーの高い秘書さんにとっては楽勝なのかもしれませんが、そうでない私は、前職と異なるデジタル・カレンダーを使用している会社に転職した際、慣れるのに苦労しました。

転職先のスケジュール管理ツールを事前に知っていれば、予習できたかもしれない!と後になって思ったんです。
そこで、私のようにデジタルにあまり自信のない秘書さんには次のような対応をオススメします。

転職先の人事や配属先の方との入社前面談の際に、以下の項目をヒアリングしてみましょう。

  • 同社の秘書さんたちはどのようなツールを使ってスケジュール管理をしているのか
  • ツールの種類は何なのか

前職で使っていたデジタル・カレンダーとは異なる場合、入社前に転職先のシステムの特徴をチェック&予習しておけると、慣れるまでの時間を短縮でき、秘書業務の要であるスケジューリングをスムーズに行える可能性が高まるのではないでしょうか。

代表的なデジタル・カレンダーであるOutlookやGoogleの使用方法は、書籍ではもちろん、インターネットでも紹介されているので予習できそうですね。

転職先の会社が使用しているデジタル・カレンダーが、手軽に使用方法を確認できない種類や独自開発システムの場合は、「御社のデジタル・カレンダーに早く慣れるために使用方法を予習したいので、参照できるマニュアルなどがあればご提供頂けないでしょうか?」とお願いしてみるのも手かもしれません。

【入社前~入社直後】転職先の会社情報や業界情報の再チェック

転職活動の際にチェック済みかもしれませんが、入社が決まった時点で転職先の会社情報や業界情報を再確認しておくとよいかもしれません。

転職間もない頃は、上司や関係者とのやり取り、打ち合わせなどで聞き慣れないワードが出てくることが多いかと思います。

それを想定し、事前に会社情報や業界情報をチェックしておくことで、点と点が線になり(≒断片的なワードとワードが関連する1つの情報となり)、線が面になる(≒更に他の情報と結びつき、会社や秘書業務のことを俯瞰的に見られるようになる。よって、仕事の応用が利き仕事の幅が広がる)可能性が高まるのでは?と思います。

ざっくりと目を通しておくだけでも、「HPのあそこに書いてあったな、詳しく見てみよう」とヒントになりますよね。

私が現在の会社に転職した直後、上司から「来月の中旬、アメリカ出張することになった。訪問先は〇〇オフィス、△△工場、□□工場で、現地に1泊ずつ。ざっくり、出張の予定を立ててくれる?」と言われました。

初めて耳にする〇〇、△△、□□という地名に一瞬頭が真っ白になりましたが、会社HPの「海外事業所・工場紹介」に掲載されていたことをうっすらと想い出し、慌てることなく「承知しました、組み立ててみます」と、その場を凌ぐことができました。

すぐに誰かに助けを求めることもできましたが、「〇〇、△△、□□ってどこですか?」と聞くより、「上司が〇〇オフィス、△△工場、□□工場に出張されることになったのですが、どなたと調整すればよいでしょうか?」と聞けた方が、前向きな姿勢が伝わり高感度も高いのではないでしょうか?

会社情報は会社HPを中心に、業界情報はインターネット(新卒の就活向けなど)や書籍でチェック可能です。

会社情報:
会社概要、商品・サービス、組織、役員構成、事業所・工場、関連会社、歴史、理念、経営方針・戦略 など

業界情報:
業界地図・相関図(競合他社)、動向 など

【入社前~入社直後】 前任秘書さんの在職、引継書やマニュアル有無の確認

転職活動中の面接時や、内定後の入社前面談時に、前任秘書さんが在職中なのか、引継書やマニュアルは存在するのかを確認しましょう。
前任の秘書さんは在職しているけれど引継書やマニュアルがない場合、入社前に準備してもらうのがよいと思います。

そして、必ず、前任秘書さんからの引継ぎ打ち合わせをセットしてもらいましょう!
引継書やマニュアルを読み合わせながら、また、イントラやクラウド上のシステムの使い方をシミュレーションしながら、質疑応答の形にするのが理想的ですよね。

経験上、引継ぎの打ち合わせは想定以上に時間を要することが多いので、少し余裕をもって時間を確保してもらうとよいと思います。
引継ぎ後も前任秘書さんが社内にいる場合はいつでも質問できますが、近い将来退職される場合は質疑応答の時間を多めにしてもらえると安心ですよね。

前任の秘書さんがいない場合は

退職等で前任秘書さんはいないけれど、引継書やマニュアルがある場合は、引継書やマニュアルの理解できない点や、その他諸業務を説明してくれる人(人事や所属部署の管理職/同僚、他の秘書さんなど)をアサインしてくれるよう、事前にお願いしておきましょう。

前任秘書さんがいない、引継書やマニュアルもないという二重苦の場合は、事前に人事や所属部署の管理職/同僚、他の秘書さんの全面サポートをお願いできると理想的。

同時に、自らも情報を集める、質問する、サポートを依頼するなど、積極的に働きかけることが必要ですよね。
上司にかかわる細かいことなどは、確認事項をまとめて直接上司にヒアリングすることも1つの方法かもしれません。

【入社後できるだけ早く】上司との打ち合わせ

私が実施して特によかったと思うことです。
前任の秘書さんからの引継ぎは受けましたが、上司と対面で以下のことをヒアリングしました。

会社の戦略や上司の管掌に基づく、当期・中期などの最優先/優先事項

会社の戦略や上司の管掌については、入社前や直後に人事や所属部署の管理職、前任秘書さんから聞く機会はあるかと思います。

ただ、スケジューリングに大きく影響する最優先/優先事項は上司にヒアリングするのが一番、信憑性が高いと思います。
現行のスケジュールを一緒に見ながら、「今期、この案件とこの案件は優先度が高いから関連する会議は優先的に入れて」など指示をもらえたら、スケジューリングの指針になりますよね。

期変わりや上司の管掌が変わった際にも、あらためて確認するのもオススメです。

スケジューリング方針の確認

上司の予定が重複した際の優先順位付けについて、上司に確認するレベル、秘書が判断してよいレベルの大筋を事前に上司と握っておけると、スケジューリングでの失敗も減り効率的ですよね。

例えば、経営会議が予定されている日時に取引先から面談依頼が入るようなケースはよくあるパターンかと思います。
その際に経営会議の議案と取引先との面談趣旨や緊急性とのバランスによって優先順位を決める方針の上司もいらっしゃると思います。
もしくは、何よりも経営会議を優先させるという上司もいらっしゃるかもしれません。

上司の立場や考え方で方針は変わるので、新しい上司とのスタート時に確認しておくとよいと思いますよ。

以上の2つは、会社のことも上司のことも分からない私にとって、スケジューリングの大きな指針になりました。
勘違いや失敗もしましたが、この指針がなければ更に混乱していたのでは?と思います。

秘書へのリクエスト

前任秘書さんには頼めなかったことや、上司自身の環境が変わり「やってもらえたら嬉しい」と思っていることをリクエストされるかもしれません(もちろん、できないことは丁重にお断りしてよいと思います)。

私の場合、転職先で最初に担当した上司が単身赴任したばかりで、会社もしくは赴任先の自宅近くで整体院を探して欲しいというリクエストを受けました。

【入社後】チェックリスト作成

出張手配、来客対応、取引先との会食のセッティングなど、「会社や上司が変われば段取り変わる」ですよね。
出張手配の違いで言えば、手配方法や社内処理、上司の好み(新幹線や飛行機の座席が窓側か通路側など)でしょうか。

私が経験した例ですと、前職では航空券手配は法人契約先の旅行代理店に依頼していましたが、転職先では全てインターネット予約でした。

また、前職では役員の国内外出張の事前申請は不要でしたが、転職先では社員同様、きっちり事前申請するのがルールだったんです。
うっかり事前申請を忘れ、出張精算しようとして経理に怒られた経験があります。

その失敗を踏まえて、私は業務ごとの段取りをチェックリストにして、モレなくダブリなく手配できるようにしていました。
慣れてきたらチェックリストを見ずともサクサク手配できるようになりますので、チェックリストはいつか来るかもしれない引継ぎ資料として保管しておくのもよいかもしれません。

【入社後、徐々に】人脈づくり

秘書経験豊富な秘書さんでも、転職先の会社では言わばアウェイ状態。
私の経験上、少しずつでも人脈をつくることで秘書の仕事がやりやすく、そして楽しくなると思います。

社内秘書仲間

「役員室」「秘書室」などに所属する場合は管理職や同僚の秘書さんが助けてくれますが、そうでない場合(事業部に単独秘書など)は他部署の秘書さんとのネットワークが大きな助けとなります!
コロナも落ち着きつつある今、積極的にランチ会を企画するなど親睦を深めるのはいかがでしょうか。

上司を取り巻く人々

上司と距離の近い部下や上司が参画しているプロジェクトメンバー、上司を慕ってよく訪ねてくる元部下、元同僚、同期などが上司に関する情報ソースになってくれることがあります。
スケジュール調整などを通してフランクに話せるようになると、上司の性格や癖、上司の最近の機嫌、ビジネス上で直面していることなどをポロっと漏らしてくれることがあり、これが意外に秘書業務に役立ちます。

ドライバーさん

社内ドライバーさんや請負ドライバーさんなど、会社のことをよく把握しているドライバーさんとよい関係を築くと、上司が車を利用する際の細かい調整がスムーズになりますよね。
また、秘書にとっては気になる車移動時の上司の様子(お疲れモードなど)をこっそり教えてくれることもありますよ。

よくコンタクトをとる社外の秘書さん

電話でもメールでも、初めてコンタクトする時は「はじめまして。これから、よろしくお願いいたします」と挨拶すると高い確率で好印象をもたれると思います。
私は逆の立場で「この会社の新しい秘書さん、いい感じ!」と思った経験があります。
最初はビジネスライクですが、同じ秘書同士、打ち解けるのも早いかもしれません。

社内外にかかわらず、秘書同士のすばらしい連携は、要職に就く上司たちの仕事効率をアップさせることは言うまでもありませんよね。
社外の秘書さんとのコミュニケーションや連携は、社内秘書さんとはまた違った刺激があります。

メールの書き方、言葉遣い、電話での対応や間の取り方、配慮の仕方など、学ぶことは多々あるのではないでしょうか。

こちらの記事もご参考ください

今回は、「秘書の転職で上司が変わった際にしておいた方がよいこと」を入社前~入社後の時系列で紹介させて頂きました。

以下のような記事も書かせて頂いています。よろしければ合わせてご覧ください。
転職後の秘書さん必見!新しい会社で押さえるべきABC!

それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!

サヤ

日系・外資系、上場・プライベートなど、複数の異なる企業風土で、多くの個性豊かな役員の秘書を経験。現在は企業内スタートアップ事業CEOの秘書を担当。私の経験が何かしら、みなさんのお役に立てば嬉しいです!

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