【書き言葉編】デキる秘書への道!~完璧な敬語を目指して〜

秘書のみなさんこんにちは!ナミコです。

みなさんは正しい日本語に自信がありますか?
秘書検定をお持ちの方は勉強された経験もあるかと思いますが、なかなか覚えきれるものではありませんよね。

そこで今回は前回の話し言葉編に続きまして、書き言葉について一緒に考えていきましょう!
また、今回も英語との比較も兼ねて、自称カタコト秘書である私による「英語での簡単な言い回し」も併記してみますので、併せてご参考になさってください。

みなさんの新たな気づきとなれば幸いです。

秘書が間違いやすい敬語(書き言葉 メール編)4選

メールをお送りさせていただきます / 送らさせていただきます

メールをお送りします(I’ll email you.)

×の表現、みなさんもメールで見かけたことはありませんか?

これらはどちらも二重敬語です。
よく考えてみると、「お送り」だけで敬語ができあがっているため、これ以上の丁寧な表現は不要です。
長い方が一見丁寧に見えますが、本来はシンプルに言い表せるものなのですね。

× ご担当者様各位

ご担当者各位(Teams)

「各位」が敬称の一種なので、様を付ける必要はありません。
「各位」=「皆様」の意味で使うことができます。

× 御社

貴社(your company)

話し言葉では「御社」書き言葉では、「貴社」を使うのが正しい用法だそうです。

秘書であれば、御礼状などで見慣れたフレーズとして、「貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」がありますよね。
このように定型文を思い浮かべると、イメージしやすいかと思います。

また、会社以外では、このようなバリエーションが挙げられます。

  • 銀行→「貴行」
  • 学校→「貴校」
  • 博物館、美術館→「貴館」
  • 社団法人や行政→「貴法人」「貴省(庁)」「貴協会」

× お体ご自愛ください

ご自愛ください(Please take care and stay safe.)

こちらもよく見かけますが、自愛という単語を辞書で調べてみると、このようにありました。

怪我や病気をしないように自分の体を大切にする。「御自愛ください」。

「自愛」という単語そのものが「体を大切にする」という意味なので、「お体」は不要ですよね。

秘書の1人称としてふさわしいのは「小職」?「私」?

上司の着任や退任、また上司宛にいただくことも多いご挨拶状。
その文中で、ご自身のことを「小職」と表現されているのをご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「小職」とは、ある程度役職がある方が、ご自身の職を控えめに表現する際に使う言葉です。
「小職」と同様の表現としては「小生」「小社」などがあります。
そのため、もし秘書である私たちがご挨拶に使うならば、「私」の方がふさわしいかもしれません。

秘書ならば、「なので」も正しく言い換えを!

最近は接続詞として認められてきた「なので」という表現。
そもそも「なので」は接続詞ではなく、「だ」+「ので」の2つの語が連結した「連語」だった、ということはご存知でしょうか?

そのため、文頭に「なので」といきなり出てくることに違和感を覚える方も多いことから、使い方には注意が必要な言葉となっています。
ビジネスの場では、メールなどでうっかり使わないようにしましょう!

参考)文頭の「なので」? | ことば(放送用語) – 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所

そして、「なので」の敬語表現は、こちらの2つです。

  1. ですから
  2. ですので

便利な「なので」ですが、ビジネスの場では「ですので」「ですから」にさらっと置き換え、正しく使いたいものですね。

私は実際に応募書類で「帰国子女なので、英語は問題ありません」と書かれているものを見たことがあります。
この言い方は特に間違いではありませんが、この場合、もし「私は帰国子女です。ですから英語は得意です」と書かれていれば、英語に加えて日本語も正しく使える方だな、と好印象を与えることができますよね。

「下さい・頂く」は漢字とひらがな、どちらが正しい?

× こちらへお越し頂く
こちら、頂き物ですが

こちらに関しては、私もかなり長い間「漢字で書いた方が丁寧」な表現だと思っていました。
実は漢字で「下さい」と書くのは「くれ」の尊敬・丁寧に表現する場合のみで、あとは全てひらがなで「ください」と書くのが正しい表現なんだそうです。

同様に「いただく」も漢字で「頂く」と書く場合は、「食べる・飲む」「何かをもらう」の謙譲語として使う場合のみ。
「~してもらう」の尊敬語で書く場合にはひらがなで「ください」と書くのが正しい表現なんです。

「致します」は漢字とひらがな、どちらが正しい?

× よろしくお願い致します
よろしくお願いいたします

「する」という動詞を丁寧に表現しようとして、ついつい漢字を使ってしまいたくなりませんか?

でも「致す」と漢字で書くと、「届くようにする。至らせる。」などの意味を持つまた別の単語になってしまうんです。
ついつい変換してしまいがちですが、お願いしたい場合はひらがなで「いたします」とするのが正解だそうですよ。

招待状などで頻出!秘書がよく見るあのフレーズに要注意

× ご利用できます
ご利用になれます

「ご利用になる」が尊敬語の形なので、「ご利用」で切ってしまうとおかしくなってしまいます
イベント時の貼り紙やご案内などでは注意して使いたい言葉です。

「・:;!〃」符号の名前とその用途とは?

話し言葉編でもご紹介した文化庁の参考資料を見てみると、日ごろ何気なく使っている符号の正式名称を知ることができますよ。
いつも使ってるあの符号、なんて呼ぶのかしら?という疑問にお答えしてくれるページです。

例えば……

「・」ナカテン
「:」コロン(カサネテン)
「;」セミコロン(テンコンマ)
「!」感嘆符
「〃」ノノ点

などなど。いかがでしょうか?
上記サイトを見るとほかにもたくさんの符号が掲載されています。

恥ずかしながら私も読み方を知らなかった符号がいくつかありました。
中には顔文字のパーツにしか使ったことがない!という符号も……。

この資料は、表記が旧仮名遣いであることからもわかるように、70年以上も前の資料ですが、今でも国語教育の参考にされているそうですよ。
こちらもいざという時にワンクリックで変換できるよう、覚えておかれると便利かと思います。

「さすが秘書!」と褒めていただけるように

話し言葉、書き言葉ともに、こうしておさらいしてみると、日本語の複雑さに改めて驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
何かと注目を浴びることも多い秘書のお仕事。
美しい日本語を日ごろから使いこなせれば、上司だけではなく、周囲からも一目置かれる存在になれるかもしれません。

「さすが秘書!」と褒めていただけるよう、勉強していきたいものですね。

参考文献
末岡実(著)『正しい敬語:美しい日本語を話したい人のために』阿部出版
日本語力検定委員会 (編集)『正しい敬語どっち?350』  彩図社

ナミコ

現在外資系商社にて、社長秘書、総務業務全般を約10年担当
突発的なトラブルすら面白がる前向きかつ好奇心旺盛な性格で、今日も楽しくお仕事中。
日々の気づきの中、秘書のみなさんと共有したいことを発信していきますね。

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