秘書のみなさんこんにちは!ナミコです。
みなさんは正しい日本語に自信がありますか?
秘書検定をお持ちの方は、勉強された経験もあるかと思いますが、なかなか覚えきれるものではありませんよね。
そこで今回は改めて、間違えやすい敬語について一緒におさらいしてみませんか?
今回は話し言葉編として、つい口にしてしまいがちな誤った敬語や「わかりました」の使い分け等について考えていきたいと思います。
また、英語との比較も兼ねて、カタコト秘書の私ですが英語での簡単な言い回しも併記してみます。
みなさんの新たな気づきとなれば幸いです。
目次
秘書の教養としても!敬語の種類はこちら!
まずは日本語の敬語の種類について、一緒におさらいしてみましょう。
文化庁「敬語の指針」によれば日本語の敬語は下記の5種類に分類されています。
参考)https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_6/pdf/keigo_tousin.pdf
- 尊敬語( 「いらっしゃる・おっしゃる」型)
- 謙譲語Ⅰ(「 伺う・申し上げる」 型)
- 謙譲語Ⅱ(丁重語) (「 参る・申す」 型)
- 丁寧語( 「です・ます」型)
- 美化語( 「お酒・お料理」型)
みなさんよくご存じかと思いますが、改めて見てみると、日本語には敬語だけでも5種類あるんです!
日本語はいかに奥が深いか、ということが実感できませんか?
また、留意すべき事項のトップに「方言の中の敬語の多様性」として、関西弁についても具体的に取り上げられていました。
例えば,関西地方では『~はる』が,全国共通語の『~れる・~られる』と似た意味の尊敬語として広く用いられる。
関西人の私も「○○してはる(なさっている)」など、敬語として「~はる」を日常的に使用しています。
まさか文化庁にも認めていただいているとは思わず、驚きました!
こちらの指針は敬語の仕組みについて体系的に書かれたもので、とても勉強になります。
お時間がある時にご覧になられると、たいへん興味深いですよ。
ほかにも文化庁のサイトには、このような「いまさら聞きづらい、敬語についてのわかりやすい読み物」もあります。
秘書の教養としても、併せてご覧になってみてくださいね。
秘書が間違いやすい敬語(話し言葉)7選
それでは、いよいよ間違いやすい敬語について、実例を交えながら一緒に考えていきましょう。
× 折り返させていただきます
〇 こちらからおかけ直しいたします。(I’ll call you back.)
上司が不在時などの対応ですが、×の例は二重敬語になっています。
「折り返す」という単語にとらわれず、「かけ直す」と言い換えられると、スマートかと思います。
× 何時ごろお戻りになられますか
〇 何時ごろお戻りになりますか(When will he/her be back?)
こちらはついつい言ってしまいがちですが、「お戻りになる」だけで敬語が完成しているので、「なられる」と重ねなくてもOKなんです。
× お休みをいただいております
〇 休んでおります(He/She is off today.)
社外の方からの問い合わせに答える場合は、お休みをお客様にいただくわけではないので「休んでおります」と、へりくだった表現のみでOKなんだそう。
上司に対し「休みます」という報告であれば、お休みをもらうのは会社でもあるので、「お休みをいただきます」でも間違いではなくなります。
誰に対しての会話なのかによっても表現が変わるんですね。
× お名前を頂戴できますか?
〇 お名前を伺えますか?(May I ask your name?)
×はよく耳にする表現ですが、冷静に考えてみてください。
名前はあげられませんよね?
参考文献には、このようにありました。
お名前をお教えいただけますか? → いただけますか? → 頂戴できますか? に変化したと思われる
また、「名刺を頂戴できますか?」という表現に引っ張られて、「頂戴」という表現が定着したという説もあるようです。
いずれにしても名前はあげられませんので、お名前はもらわずに伺うようにしたいものです。
× とんでもございません
〇 とんでもないことでございます
不意にお褒めの言葉をいただいた際など、ついつい出てしまう言葉。
私もとっさに間違えてしまいそうになります。
しかし「とんでもない」という言葉が1つの単語なので、途中で切るのはおかしいんですね。
ちなみにカタコト秘書の英語力では、謙遜としての「とんでもない」にふさわしい英訳が思い浮かびませんでした。
みなさんならどう訳されますか?
ぜひコメント欄にて教えてください!
× お伝えいたします
〇 申し伝えます(I will tell him/her.)
メッセージをくださったのはお客様ですが、伝えるのは自分なのでへりくだるために「言う」の謙譲語「申す」を使うのがふさわしい、ということになります。
× 貴社
〇 御社(your company)
話し言葉では「御社」書き言葉では、「貴社」を使うのが正しいそうです。
会社以外では、こういったバリエーションが挙げられます。
- 銀行→「御行」
- 学校→「御校」
- 博物館、美術館→「御館」、
- 社団法人や行政→「御法人」「御社省(庁)」
ただ、「御協会??」などと考え込んだり、舌を噛んでしまいそうな時などは「○○協会様」などに言い換えたほうがスマートかもしれませんね。
わかりました(Certainly.)の使い分け
オフィスで頻発する「わかりました」の敬語で迷いがちなこちらの3種類についても考えてみましょう!
承知しました / 承知いたしました
目上の方への謙譲語です。
(要求を受け入れ、意味が分かった)
話し言葉では、「承知いたしました」のほうがより丁寧になります。
かしこまりました
目上の方に対する謙譲語です。
国語辞典にはこのようにありました。
「畏まる」とは:
恐れ敬う気持ちを持って言動を慎むこと。また、そのような態度をとること。
畏れ多く思うぐらいの立場の方への謙譲語のイメージです。
このことから、どちらかというとオフィスで使用する頻度が高いのは、「承知しました」ではないかと思います。
了解しました
ご存じの方も多いかと思いますが、「了解しました」は丁寧語ではあるが謙譲語ではないため、目上の方に使うと失礼に当たるとされています。
しかし「了解いたしました」は謙譲語になるため、本来は失礼にならないんだとか。
オフィスでは誤解されることも多いので、目上の方には使わないほうが無難かと思います。
美しい日本語で、周囲からも一目置かれる秘書に!
今回は英語表現も併記してみました。英語と比較されてみて、いかがでしたでしょう。
日本語の複雑さに、改めて驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
社内外で何かと注目を浴びる場面も多い秘書のお仕事。
美しい日本語を日ごろから使いこなせれば、上司だけではなく周囲からも一目置かれる存在になれるかもしれません。
「さすが秘書!」と褒めていただけるよう、努力していきたいものですね。
参考文献
末岡実(著)『正しい敬語:美しい日本語を話したい人のために』阿部出版
日本語力検定委員会 (編集)『正しい敬語どっち?350』 彩図社
現在外資系商社にて、社長秘書、総務業務全般を約10年担当
突発的なトラブルすら面白がる前向きかつ好奇心旺盛な性格で、今日も楽しくお仕事中。
日々の気づきの中、秘書のみなさんと共有したいことを発信していきますね。
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