秘書のみなさん、こんにちは! Emilyです。
みなさんは、ご高齢の上司にお仕えした経験はおありでしょうか。
役員には定年の規定がないという会社も多いので、70代、80代でも現役で活躍しているという方も珍しくないかもしれません。
私も70代の会長の秘書を担当したことがあります。
同じ仕事でも上司がご高齢の場合は意識するべきポイントが異なり、慣れるまでは戸惑うこともありました。
そこで今回は私がその頃実際に意識していたことや、失敗を通じて学んだコツなどをみなさんにも共有したいと思います!
ご高齢の上司にお仕えの方、これからお仕えする可能性がある方の参考になれば幸いです。
目次
ご高齢上司を持つ秘書ならば、リマインダーは手厚く!
ある年、取引先の役員の方々が、関西からはるばる東京都内にある弊社までご挨拶にいらっしゃることになりました。
そこで当社も会長である上司のほか、社長にも同席してもらえるよう予定を調整。
こだわりのお土産も用意して準備万端で当日を迎えました。
ところが、面会時間10分前になっても上司が会社に来ません。
焦って電話をかけるも留守電に……。
どうしようかと頭を抱えているうちに、お客様が到着してしまいました。
ひとまず同席の社長に事情を説明し、社長おひとりでお客様のお相手をしてもらうことに。
その間、私は上司に電話をかけ続け、やっと繋がったのは約束の時間を15分も過ぎた頃でした。
お客様がすでにお見えであることをお伝えすると……
上司からは「約束をすっかり忘れていた」と衝撃の一言が!
「スケジュールに入れていたはずですが……」と言いたいところをグッとこらえ、まずは急いで会社に向かってもらいました。
なんとか途中から面会に合流することができましたが、それまでは私も生きた心地がしなかったのを覚えています。
歳を重ねるとどうしても記憶力が低下し、物忘れが多くなるものですよね。
この1件以来、上司の予定はスケジュール帳で共有するだけでなく、上司の携帯宛にメールでもお知らせするようになりました。
前日の夕方に翌日のスケジュールをメールし、重要な予定がある日は当日の朝にもリマインダーメールを送信。
そのルーティンを上司がリタイアするまで1日も欠かさず続けました。
その甲斐あってか、それ以来、同様のトラブルは起こさずに済みました……!
デジタル機器に不慣れな上司には、秘書から紙資料をお渡ししよう
70代の会長は、携帯電話はお持ちでしたがパソコンは使えませんでした。
そのため、私はいつも社内メールに目を凝らし、上司に必要な情報をすかさず紙資料にしてお渡ししなければなりませんでした。
他にも、上司が外出する際には、行き先の地図や電車の乗り換え案内を印刷して上司に手渡すのがルーティン。
直接手渡しできない場合は、ご自宅へFAXをしていました。
上司のスケジュールも、私自身はパソコンで管理していましたが、それをそのまま上司にデータ共有することはできません。
そのため、上司のデスク付近に大きなホワイトボードを設置し、そこに1か月分のスケジュールを転記していました。
このデジタルの時代に、まだこんな仕事があったなんて……(笑)。
世代によっては、デジタル機器に不慣れな上司もいらっしゃると思います。
それを理解し、しっかりとサポートすることも、高齢上司に仕える秘書の重要な役割になるかもしれませんね。
上司のために、資料を読みやすくする秘書の工夫!
パソコンを使わない上司の場合、紙資料でのやりとりが多くなりますよね。
このとき、ただ出力してお渡しするだけでは配慮が足りないかもしれません。
実際、私も何度も上司から「資料が見づらい」と出し直しを指示されたことがあります。
そう指摘されないためには、以下のようなことに気を配ることが大切だと学びました。
- B4やA3など大きめの用紙サイズで出力する
- フォントサイズは12ポイント以上にする
- 日付・時間・場所・金額などの重要な部分にはアンダーラインを引くなどして強調する
- 情報を取捨選択し、伝えたいことは冒頭にもっていく
- 口頭でも補足する
このように、上司の立場に立っていろいろと配慮し、より分かりやすく正確に伝えるための工夫を心がけると、上手くいくと思います。
デキる秘書は、上司のスケジュールに余裕をもたせる
70代だった上司は、当然疲れやすいお身体。
また、歩くスピードもやや遅め。外出などの移動にも時間がかかることも。
そのため、私が上司のスケジュールを組む際は、以下を意識するようにしていました。
- 予定を詰め込みすぎない
- 予定と予定の間に十分な余裕をつくる
- 予定が何もない日を定期的につくる
- 会食などは極力早めの時間に設定し、ご帰宅が遅くならないようにする
上司が無理なくお元気で働き続けられるよう、仕事と規則的な生活を両立させるのも秘書の重要な役割だと思います。
上記のほか、毎日同じ時間に食事がとれるよう意識してスケジュールを組むことも、秘書にできる配慮の1つですね。
上司の健康管理も秘書の仕事のひとつ?
今回例に挙げた上司ほどの年齢になると、やはり通院や検査も多くなります。
仕事との両立が必要なので、病院の予約や、通院・服薬のスケジュール管理も、秘書である私に任されていました。
上司のかかりつけ医の連絡先はもちろん、それぞれの診察券も管理。
さらに、上司の健康状態や過去の病歴なども全て把握していたので、問診票は私が代筆できるほどでした。
その分、気をつけなければならなかったのは情報の管理です。
同じ秘書室の同僚でも知らないような上司のパーソナルな情報を管理していたので、うっかりと情報を漏らしてしまわないよういつも細心の注意を払っていました。
情報漏洩リスクと対策については、過去に記事にしていますので、よろしければそちらもご参照くださいね。
上司に馴染みのある言葉選びをするのも秘書の心遣い!
ビジネスの場で頻繁に飛び交うカタカナ語。
そのまま上司に伝えると「何だって?」と言われてしまうことが度々ありました。
年長の世代は、横文字に馴染みが薄い方も多いですよね。
そのため、例えば以下のように、極力上司に馴染みのある表現に言い換えることを意識するようになりました。
- アポイント → 面会の予約
- セレモニー → 式典
- クライアント → 顧客
- ケータリング → 仕出し
- Amazon → 通販サイト
意味が伝わらなかったり、間違った解釈をされてしまったりするのは、ビジネスの場では致命的です。
上記のような言い換えのほか、メールや文書であればカタカナ語の後にカッコ書きで説明を添えるなどの工夫も有効だと思います。
秘書として、上司の一番の理解者に!
私たちが当たり前に思っていることや行っていることも、ご高齢の上司にとっては「難しい」「負担だ」と感じることがあるかもしれません。
秘書として、上司の1番の理解者となって仕事をサポートしたいですよね。
そのためには、日頃から上司とのコミュニケーションを大切にし、上司に対する理解と尊重の気持ちを持ち続けることも重要だと思います。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!
企業の秘書室に所属し、社長秘書や会長秘書を経験。その後、2023年に独立し、フリーランス秘書へ!働き方やライフスタイルのこと、自分なりの考え方など、企業秘書・フリーランスの両面から幅広いテーマで記事を書いていきたいと思っています!
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