秘書が守るべき上司の秘密、こんな漏洩リスクにご用心!

秘書のみなさん、こんにちは! Emilyです。

秘書は業務上、上司のプライベートや、社内の事業に関わる重要事項も知る立場にあります。
その分、情報の取り扱いには日頃から細心の注意を払わなければなりませんよね。

意図的に上司の秘密を漏らす秘書さんはいないと思いますが、偶発的な原因による事故は誰にでも起こりうるもの。
漏洩を防ぐためには、日常業務に潜むリスクを知り、事前に対策を講じておくことが大切だと思います。

そこで今回は、私が過去の失敗や経験から学んだ、身近な漏洩リスクと対策についてみなさんにも共有いたします!

会話でうっかり!?秘書が注意したいケース3パターン

1度口から出た言葉は取り消すことができませんよね。
何気ない会話の中でうっかり口を滑らせてしまわないよう、注意したいケースを3つご紹介します。

①上司の外出先や出張先について

私がまだ新人秘書だった頃のことです。
上司の出張中に、他部署の人が上司を訪ねて来ました。
不在の旨を伝えると「どこへ行っているのか」と質問が。
咄嗟に「関西へ出張中です」と答えたのですが、後から先輩に不適切な対応であったと注意を受けてしまいました。

その日の上司の出張は、新しく構える関西支社の下見で、社内でもまだ一部の関係者しか知らないプロジェクトだったためです。
出張先が関西だということからプロジェクトの内容を勘づかれるリスクがあるということに、私は気づけていませんでした。

秘書なら当たり前に把握している上司の外出先や面会相手などの情報。
しかし、聞く人によっては、そこから事業に関する重要事項を推測できてしまうかもしれません。
上司の動向は不用意に口にしないよう、注意しなければと学んだ出来事でした。

とはいえ、不自然にごまかすような返答では、相手に「何か隠している」「密かに動いている」などと勘ぐられてしまいますよね。
こんな時のために、以下のフレーズを覚えておくと便利かもしれません。

申し訳ございませんが、私は知る立場におりませんので、詳細は分かりかねます

機密情報を伏せることはもちろん、伏せているということを相手に悟られないよう毅然とした態度で対応することも重要な心がけですね。

②上司の健康状態について

上司が体調不良で病院に寄ってから出勤することになり、予定していたお客様との面会時間を変更しなければならなくなったことがありました。

秘書としても、当日の変更は心苦しいもの。
少しでも誠意を見せようと、私はついつい先方へ事情を説明したい気持ちに……。
しかし、上司からは「余計なことは言わないように」と念押しのメールが届きました。

先輩に相談してみると、上司の健康状態をむやみに外部へ知らせることは慎んだ方が無難だと助言してもらえました。
結果、先方へは以下のように連絡することに。

申し訳ございませんが、前の予定が長引いているため、お時間を変更させていただけませんでしょうか

上司の健康状態も重要な個人情報のひとつです。
上記の他にも、「所用により」「立て込んでおり」「取り込み中で」など、内部事情の詳細には触れない言い回しをいくつか覚えておくと安心ですね。

③警察を名乗る人からの問い合わせ

先日、警察を名乗る人から電話がありました。
聞くと、近隣で起きた事件の関係者が会社のビルに入ったのが見えたので、ビル内の巡回許可と防犯カメラの映像提供をお願いしたいとの問い合わせでした。

ひとまず折り返しの約束をして電話を切り、法務部に対応に関する指示を仰ぎました。
すると、「まずは警察署に電話をして、先ほど電話をかけてきた人物が実際に所属しているかを確認するように」とのこと。
警察のなりすましであるリスクを踏まえて、慎重に対応すべきだという助言でした。

確認の結果、警察からの正式な問い合わせであることが分かり、対応は無事完了。
今回は問題ありませんでしたが、なりすましのリスクについては今後も肝に命じておかなければと学んだ一件です。

警察や裁判所からの問い合わせと聞くと、つい慌てて知っている情報を提示してしまいそうですよね。
他にも、上司の知人を名乗る人から上司の連絡先やスケジュールを聞かれるなど、考えられるなりすましのケースは様々あります。

面識のない人物からの問い合わせの場合は、その場でむやみに回答せず、慎重に対応すべきだということを覚えておきたいと思います。

パソコン画面の覗き見に注意!秘書がすぐにできる簡単設定は?

こちらも、私が新人秘書時代に経験した失敗談です。
デスクでパソコン作業をしていたところ、急な来客があり、急いで受付に向かうことに。
対応が終わり、再びデスクに戻ると、先ほどまで使用していた私のノートパソコンが閉じられていることに気づきました。

私自身はパソコンを開いたまま急いで席を立ったこと、その直前まで行っていたのが役員会議資料のチェックだったこと、そして現在このフロアにいるのは上司と自分の2人だけであることを順に思い出し、「しまった!」と思いました。

おそらく、パソコン画面に表示されたままの資料に上司が気づいてパソコンを閉じたのだろうと察したのです。
周囲にひとけがなかったとはいえ、機密性の高い会議資料を画面に表示したまま席を離れるのは不用心でした。

上司や他部署の人、お客様などに呼ばれて急いで席を立つシーン、秘書さんであれば頻繁にあるかと思います。
そんな時に便利なのは、パソコン画面を素早くロックするためのショートカットキーです。

Windowsの場合

「Windows」キー(Windowsのロゴマーク)を押しながら「L」キー(Lockの頭文字と覚えましょう!)を押すことで、パソコンに一瞬でロックをかけることができます。

※お使いのメーカーや機種によってキーの配列が異なる場合があるので、今パソコンでご覧いただいている秘書さんはお手元のキーボードをチェックしてみてください。

Macの場合

「Control」「Command」「Q」を同時に押すと、画面にロックをかけることができます。

スクリーンセーバーでW防止!

また、スクリーンセーバーもあわせて設定しておくと、さらに安心ですね。
スクリーンセーバーは、万一、ロックを忘れて席を離れてしまっても、一定時間操作が行われなかった場合に画像やアニメーションが表示されて、作業中の画面を隠すことができる機能です。
ロックされるまでの待ち時間も1分単位で設定できますよ。

Windowsの場合は「Windows」キーで設定を開き、個人用設定の「ロック画面」で設定ができます。
Macの場合は「システム環境」の「デスクトップとスクリーンセーバ」で設定してみてください。

いずれもすぐにできる簡単な操作ですので、ご存知なかった秘書さんがいらしたらぜひ試してみてくださいね。

秘書業務での電話は第三者の存在にもアンテナを!

ある年の春、新たに就任した役員へサプライズでお祝いのケーキを手配することになりました。
私がケーキ屋さんに予約の電話をしていたところ、ちょうどプレートの内容を指定しているタイミングでご本人が上司を訪ねて歩いてくるのが目に入り、ドキッとした経験があります。
電話をする時は、第三者の存在にも注意が必要ですよね。

秘書さんであれば、上司の病院の予約など、デリケートな内容の電話を行うこともあるかと思います。
電話の声を誰かに聞かれることで、本来広めるべきではない情報が漏れてしまうこともあるかもしれません。

電話内容によっては、応接室を予約して個室で電話をするなど、周囲に声が聞こえないよう配慮できるとより安心ですね。

メール誤送信は仕組みから改善!

毎年春になると、総務部から役員全員とその秘書宛に人間ドックの案内が一斉メールで届きます。
「希望の受診日と受診項目を返信してください」という内容です。

上司の健康状態も反映されるデリケートな回答になるため、当然「送信者のみに返信」をすべきメールですが、私はうっかり「全員に返信」を選択してしまったことがあります。
ギリギリ送信前に気づけましたが、ヒヤッとした出来事です。

上記は社内メールの例ですが、社外への誤送信となると問題はさらに大きくなる可能性がありますよね。
意識だけに頼らず、誤送信防止のためのメールソフトの設定を行うなど、仕組みから改善するのがオススメです。

例えばGmailの場合、Safety for Gmailという拡張機能を活用することができます。
メール送信時にアドレスをチェックし、ドメイン外のアドレスが含まれている場合には警告が表示される機能です。
これにより、第三者にメールを誤送信するリスクを減らすことができます。

Safety for Gmailはこちら

Gmail以外のメールソフトでも、こうした誤送信対策のツールはあるようです。
即時送信をさせない設定や、宛先がアドレス帳にない場合に本当に送信して良いかを確認する設定など、業務の特性に合わせて適したものを選択するのが良いと思います。

もし、会社のアカウントを使っていて自由にソフトを利用できないという秘書さんがいらしたら、メールの下書きをプリントアウトしてアナログでチェックするというのも有効な対策かもしれません。
私もよく行う方法ですが、一呼吸置いて冷静に俯瞰できるのでオススメです。

上司から秘書へ、安心して仕事を任せてもらうために!

人が行う仕事である以上、ミスやリスクを完全になくすのは難しいもの。
しかし、「1人ひとりの意識」と「仕組み改善」という2つの観点から対策を講じておけば、互いに補完し合い、リスクを最小限に抑えることができると思います。

安心して仕事を任せてもらえる秘書でいるためにも、日頃から様々なリスクを見越して、多角的な対策を心がけていきたいものですね。

それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!

Emily

企業の秘書室に所属し、社長秘書や会長秘書を経験。その後、2023年に独立し、フリーランス秘書へ!働き方やライフスタイルのこと、自分なりの考え方など、企業秘書・フリーランスの両面から幅広いテーマで記事を書いていきたいと思っています!

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