思い出しても恐ろしい……!秘書のトラブル体験談

秘書のみなさんこんにちは!
いつも完璧を求められる秘書という職業。もちろん自分だって完璧を目指して日々奮闘しています。
とは言え、人間ですからミスをしてしまう場合だってあるんです。
時には、誰かのミスが自分の責任になってしまうケースも無きにしも非ず。

今回は私が経験した、今だから話せる過去のトラブルとその解決策をご紹介します!

思い出しただけで鳥肌が立つほどのあの事件……

イベントにはもってこいの快晴の朝にそれは起こりました。
本社のある東京から、車で高速道路を利用しても2時間ほどかかる場所に研究所を建設したときのことです。
新聞や雑誌に記事を載せてもらうために、開所式当日、東京から記者のみなさんを30名ほどご招待して取材をしていただくことになっていました。

簡単な予定は以下の通りです。
① 東京駅からちょっと高級なお弁当とともにバスで記者さんたち移動
② 記者さんたちが到着後、開所式開始。続いて、社長挨拶とテープカット
③ ご来賓と記者さんたちを連れて研究所内のツアー
④ Q&A

3か月前から準備を始めて、何度もシミュレーションを重ねて準備は完璧…だったんです!

秘書を泣かせるトラブルが発生!

その日の朝、私は手配していたドライバーさんの運転で、上司と共に早朝に研究所に到着しました。
開所式の最終確認を終え、あとは記者さんやご来賓の方々の到着を待つのみ。余裕で上司と打ち合わせをしながらコーヒーを味わっていました。
そして運命の電話が鳴ったのです!

その電話は、東京駅から記者さんたちの引率を頼んでおいた広報担当者からでした。
「待ち合わせ場所にバスが来ないよ!」「30人の記者さんたちと、お弁当の山が取り残されてるの!」

その瞬間、「ぞわっっ」と音が聞こえるくらいの勢いで全身の毛穴が開き、目の前は真っ白、指の先まで氷のように冷たくなって、全身に冷や汗が流れ、自分の心臓の鼓動が大音量で聞こえました。
みなさん…これこそが「血の気が引く」と言うことです。

血の気が引いた状態のまま電話に向かって「記者さんが来なかったら今日のイベントの意味がなくなっちゃう!何台になってもいいから全員タクシーに乗せてこっちに送って!」とその場で指示。
ここまで約1分間の出来事です。永遠に感じるほどの1分でした。

秘書として今、やるべきことは?

「なんでこんなミスしちゃったんだろう」と自問自答や、泣きたい気持ちは後回し。やるべきことをやるだけだと覚悟を決めました。
とりあえず記者さんたちが到着するまで約1時間半。やるべきことは山積みです!

① バス会社へ連絡(帰りのバスを確保)
② 社長への説明
③ 関係者への説明
④ スケジュールの変更
⑤ タクシーの支払い(大金!)

バス会社に電話で確認したところ「ええ、はい。キャンセルになっています」との回答。
2日前によろしくお願いしますってあんなに確認したのに…!電話口で怒鳴りたい衝動にかられましたが「誰がキャンセルの依頼をしたか確認してすぐに連絡をください。それと帰りのバスはキャンセルしないでくださいね」と告げました。

そして次に金色のハサミを手に、テープカットの準備万端の上司に説明をしなければなりませんでした。
報告は、淡々と冷静に行いました。
「手違いで記者の到着が遅れますので、到着次第予定通りに始めます。詳細は後程ご報告いたします」
この時点での上司への報告はこれで十分。あまりに衝撃的な報告だと、この後の開所式に差し支えると思ったからです。

上司への報告より私にはやるべきことがありました。
そうです!次々に到着する約10~15台のタクシー料金を現金で準備しなければなりませんでした。
予想金額はタクシー1台につき40,000円。全部で50万円強!
研究所から近くのATMまでは車で10分、ありったけの現金を引き出すために近くで待つドライバーさんを呼び出しました。

捨てる神あれば拾う神あり!


ドライバーさんを待っていると、遠くから走ってくる様子が見えました。そしてこう言ってくれました。
「sollaさん!これ使ってください!」
言いながら、分厚い封筒を私に渡しました。
中には十分な金額の現金が入っていて本当に驚きました。

幸運なことに、バスはその日のドライバーさんと同じ会社に依頼をしていました。バスのキャンセルは先方のミス。
記者さんたちがタクシーで移動していることを聞きつけ、私に現金を渡すようドライバーさんの元に連絡があったとのことでした。

本当にありがたかったのを覚えています。「何かできることはありませんか?」とお申し出があったので、その現金でタクシーへの支払いをしてもらうようお願いしました。

事件のその後、秘書として感じたことは?

開所式の開始は1時間程度遅れてしまいましたが、ご招待していた関係者の方々の研究所見学の順番を最初にすることで、大きな混乱は起きずにすみました。

次の朝、開所式式典の記事が紙面を飾ったのを見て、上司も大変喜んでいました。
「ところで、昨日は何があったの?」と聞かれたので、詳細を説明しましたが「そんな大変なことがあったなんて気づかなかったよ。結果オーライだね。ありがとう」とおっしゃって頂きホッとしました。

誰のミスでもなく、その責任はその日を仕切っていた私にあります。
そして、振り返ってみるとたくさんの方々がこのイベントを成功させようと尽力してくれました。
バス会社は現金を用意や帰りのバスの手配を迅速にしてくれました。
上司は私を信じて、当日は何も聞かずに従ってくれました。
突然の予定変更にもかかわらず、関係者の方々からは文句ひとつありませんでした。
スタッフたちは「何か手伝えることはないか」と申し出てくれました。

いろいろな人達が助けてくれたんです。この大変な一日を過ごして学んだことは「感謝」の気持ちだったんです。

トラブルの時に秘書を助けてくれるもの、それは!?

みなさん、もしトラブルが発生したら…。どうかパニックにならないでください。冷静であれば絶対に何とかなります。絶対です!
泣きたいでしょうが、泣くのは事態が収束した後にしましょう。

トラブルに対処している間は、絶対に人を責めることなく、感謝の気持ちを持ちましょう
そして、日頃から誠実に人と接するように心がけましょう。その人たちはトラブルが起きたときに大いに助けになってくれます。
私はこの日、日頃の行いの通信簿をもらったような気持ちになりました。

いかがでしたか?
過去に起きたトラブルはまだまだありますが、今回は一つだけご紹介しました。
私の大失敗をもっと読みたい方は、Hisholioにご連絡くださいね(笑)

秘書のみなさん、優しく冷静に!!今日もお疲れさまです!

solla

外資系・日系、大手企業から個人事業まで、幅広く社長秘書の経験あり。どんな困難でも楽しむ事が得意です。
趣味はローラースケート・ゴルフ・ツーリング。

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