「とんでもございません」は誤り? 秘書なら押さえておきたい、実は間違っていた敬語7選

秘書のみなさん、こんにちは! まりこです。

「これまで使っていた日本語、実は間違っていたのかも?」と気付いたのは、1本の電話応対をした時でした。
取引先にお礼の電話をした時に、先方から「とんでもないことでございます」とお返事があったんです。
あまり聞きなれないフレーズだったので、使い方を調べてみました。

そのことがきっかけで、「もしかして普段の言葉の使い方も間違っていたかも……」と気になり始めました。
そこで今回は、知らずに間違えてしまっている日本語について、調べたことをお伝えしたいと思います。

①「とんでもございません」は、間違い?


結論から申し上げますと、「間違い」です(涙)。
お礼を言われた際や何かお褒めいただいた時に、毎回使ってしまう「とんでもございません」。
実は、この言葉が間違いだったと知った時の衝撃たるや……。

この表現は、例えば「せつない」を「せつございません」と言っているようなものなんです。
正しくない表現を連発して使っていたんだ……と前述の電話対応から学びました。

今でも、ついうっかり使ってしまいそうになります。
「とんでもないです」は文法的にも問題ありませんが、より丁寧な言い方は「とんでもないことでございます」になります。

②「させていただく」

丁寧な表現のつもりでよく使われる「~させていただく」という言葉。
実は、これも使い方によっては正しくない表現になります。

誤りの例文がこちら。

書類を拝見させていただきます。

「拝見」は謙譲語です。
そして、「させていただく」も謙譲語なので、二重敬語となり誤りなんです。
正しくは「書類を拝見します」です。

入社させていただきました。

「させてもらう」の条件に当てはまらないので、こちらも誤り。
正しくは「入社いたしました」となります。

「させていただく」は、相手の許可を得てする行為にあたります。
さらに、許可を与える人に敬意を払う言葉なんです。
入社するのは自分ですよね。
よって自分で自分に敬意を払っているという表現になってしまうのです。

一方で、「明日は午後から出社させていただきます」
これは正しい表現になります。
上司や会社から許可を得ていて、さらに許可を出す人に敬意を表しているからです。

③なんとなく違和感……。「ここにお名前をいただけますか」

ある美容室に行った際に、「ここに、お名前をいただけますか?」と言われたんです。
ふと、「ん?この日本語は正しい敬語なのだろうか?」と調べたところ誤りでした。

正しくは、「こちらにお名前をご記入いただけますか」

・「ここ→こちら」
・「お名前をいただけますか→お名前をご記入いただけますか」
とすると綺麗な表現に早変わり。

「こ・そ・あ・ど言葉」を丁寧な表現に直すだけでも、上品な言葉遣いに聞こえますよね。

④地域性もある「○○様はおられますか?」

関西で暮している時によく「○○様はおられますか?」のフレーズを聞くことがありました。
私は関西人ですが、関東で暮していると不思議とこのフレーズ、あまり聞かないんです……。

気になって調べてみたところ、なんとこの言葉、間違いではないけれど、違和感を感じる方も一定数いらっしゃるとのことでした。
したがって、相手の表情が見えない電話では使わない方が良さそうです。

謙譲語の「おる」+尊敬語の「れる」と解釈すると、謙譲語+尊敬語の二重敬語で正しくなく、
また相手に「おる」という表現を使うと失礼にあたる

という説明を見つけました。

関西だと「〇〇ちゃん、今教室におる~?(いる?)」などと、当たり前のように「おる」の表現を使うんですけどね。
現在は関東在住ということもあり、私も気を付けようと思いました。

⑤誰を敬うかによって用途が異なる「お伝えいたします」

取引先に伝言を頼んだ際に、「〇〇の件について、部長の〇〇にお伝えいたします」と元気よく若手社員の方に言われたことがありました。

「部長の〇〇」までは完璧ですが、その後が惜しい……ですよね。
もちろん、「お伝えいたします」は正しい敬語なんですが、「誰を敬うか」が大事で、この場合は伝言を頼んだ相手を立てる表現にする必要があります。

正しくは、「〇〇の件について、部長の〇〇に申し伝えます」
さらっと正しい敬語が使えると、相手の方もきっと安心しますよね!

⑥ついつい口から出てしまう「〇〇様でございますね」

こちらもつい言ってしまいそうになるのですが、「〇〇様でいらっしゃいますね」が正しい表現です。
「ございます」は「ある」の丁寧語なので、「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」を使うと、違和感のない表現になりますよね。

ただ、取引先から「A様はいらっしゃいますか?」と聞かれて、「はい、Aでございますね。確認いたしますので、少々お待ちください」と答えるのは問題ありません。
慣れるまでは使い分けが難しいのですが、何度も気を付けて使っているとだんだん慣れてきますよ。

⑦いわゆる「バイト敬語」ですね。「~になります」

こちらも使いがちな表現ではないでしょうか。
「MTG資料になります」などが典型的です。

「~なります」は、一般的にモノが変化していく様子を表す表現になるので、敬語ではないそうです。

・MTG資料になります  →誤り
・MTG資料でございます →正しい

たった一言ですが、意識して正しい表現を使うことで、さらに磨き上げられた秘書さんになれそうですよね!

洗練された日本語を使いこなす秘書になろう!

調べだすとキリがない……というくらい、私も誤った表現を使っていたんだなあと痛感しました。

日本語は、特に尊敬語・謙譲語が難しいと思います。
日頃から少し意識しておくと、「今の表現は正しい日本語だったかな?」と振り返って調べることができますし、調べることで知識も蓄積されますよね。

洗練された表現を使いこなす秘書さんって素敵だと思います。

それでは秘書のみなさん、本日もお疲れさまでした♪

まりこ

院長秘書など経験。
現在は講師の仕事を中心にエディター/ライターなどマルチポテンシャライトとして複数の仕事をしています。
取得資格は秘書検定1級をはじめ20以上。日々、何かしら勉強しています!

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