秘書の適性は「完璧な記憶力」にあらず!ミスを防ぐ3つの仕組み化を大公開!

秘書のみなさん、こんにちは。いとです。

スケジュール管理・来客対応・資料作成……秘書の業務は多岐にわたります。
一つひとつは小さなタスクでも、積み重なれば頭のキャパシティはあっという間にパンパンに。

そんな中でうっかりミスをしてしまったとき、「私、秘書に向いてないのかも……」と自分を責めていませんか?

でも、ちょっと待ってください。

ミスをするのは、あなたの能力が低いからではありません。
人間の記憶力には限界があり、どんなに優秀な人でもマルチタスクが続けば忘れることはあります。

大切なのは「忘れない努力」ではなく、「忘れても大丈夫な仕組み」を作ること。

今日は私自身が秘書時代に経験した失敗談と、そこから学んだ「ミスを防ぐ仕組み化」の方法をご紹介します。
今、適性に悩んでいる秘書さんのヒントになればうれしいです。

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「時間でしょ?」副社長の一言で気づいた私の失敗

ある日の夕方、集中して資料作成をしていたときのことです。

「時間でしょ?」

副社長の声にハッとしました。
会合の出発時間のお声かけをすっかり忘れていたのです。

私には「集中すると過集中になる」という特性があります。
一つのことに没頭すると、周囲の音も時間の感覚も消えてしまうことも。

この集中力は業務によっては強みになりますが、柔軟な対応とマルチタスクが求められる秘書業務では、時に足かせになることもあります。
このときがまさにそうでした。

申し訳ない気持ちでいっぱいになると同時に「私、秘書に向いてないのかもしれない……」という不安が頭をよぎりました。

でも、落ち込んでいても業務がなくなることはなく、秘書業務は続いていく。
この失敗をきっかけに、私は「どうすればできるか」を模索し、「覚えておく」ことに頼らない方法を取り入れ始めました。

仕組み化①: デジタルとアナログの付箋を使い分ける

デジタルとアナログを使い分ける方法です。

普段は付箋をPC画面に貼ることはしません。
なぜなら、貼りっぱなしにすると「風景化」してしまい、かえって見落とすからです。

その代わり、集中作業から重要タスクへの「意識の切り替え」が必要となる日だけ、2つの方法を併用しました。

付箋アプリを「常に最前面表示」に設定

Windows標準の「付箋(Sticky Notes)」やMacの「スティッキーズ」には、「常に最前面表示」という機能があります。
これを設定すると、どんなアプリを開いていても付箋が最前面に表示され続けます。

私は付箋アプリで目立つ色ベースの付箋を用意し、「17:30出発!」と大きく書いて常に最前面表示に設定。
すると、資料作成中もメールチェック中も常に画面の一部に時間が表示され、過集中していても目に入ります。

どうしても不安な日は、物理付箋を画面中央上に

デジタル付箋でも心配な重要な日は、目立つ色(赤や黄色)の物理付箋をPC画面の中央上に貼ります。
中央に貼ることで、強制的に意識せざるを得ない状態に。

この「普段は何も貼らない→重要な日だけデジタル/物理で目立たせる」というメリハリが風景化を防ぐポイントです。

仕組み化②:Outlookのポップアップ等を活用し「強制的に気づく」

次に取り入れたのが、Outlookのリマインダー機能です。

重要な予定には必ず15分前と5分前にポップアップ通知が出るよう設定しました。
このポップアップ、意外と侮れません。
画面の真ん中に大きく表示されるので、過集中していても強制的に意識が引き戻されます。

さらに不安な場合は携帯のアラーム機能を使いました。
バイブで知らせる設定をした携帯電話をポケットに忍ばせ、身体に知らせます。

すると、視覚と触覚の両方で気づけるので安心感が増しました。

ポイントは「自分の記憶力を信じない」こと
どんなに気をつけていても忘れる前提でツールに頼る。それがミスを防ぐ第一歩だと感じています。

仕組み化③:ペアの上司に時間共有し、お声がけをお願いする

そして、私にとって最も効果があったのが「人を巻き込む仕組み化」でした。

私の場合、ペアを組んでいる上司が副社長の出発を待つ待機要員として残られていることが多くありました。
そこで、その上司に出発時間を事前に共有し「もし私が気づいていなかったら、お声がけいただけますか?」とお願いするようにしたんです。

時間に余裕のある方に協力をお願いすることで、自分1人で抱え込まずに済むようになりました。

「人に頼るのは申し訳ない…」と思うかもしれませんが、チームで動く以上お互いにサポートし合うのは自然なこと。
むしろミスをしてから謝るより、事前に協力を仰ぐほうがよほど信頼関係を築けると実感しています。

1人で完璧を目指すのではなく、周囲を巻き込む勇気。
それも立派な「仕組み化」だと思います。

「覚えておく」プレッシャーからの解放。集中力も活かせる毎日に。

これらの仕組みを取り入れてから、業務が驚くほど楽になりました。

「忘れないように…」と常に気を張る必要がなくなったことで、心に余裕が生まれたんです。
そして何より、過集中という自分の特性を罪悪感なく活かせるようになりました。

以前は「集中しすぎて周りが見えなくなる自分」を責めていましたが、「集中力は強み。ただし、忘れない仕組みとセットで使えばいい」と割り切れるように。

ミスが減ると上司からの信頼も高まります。
「○○さんに任せておけば安心」と思ってもらえるようになり、仕事へのやりがいも感じられるようになりました。

秘書に必要なのは完璧さより、仕組みをつくる力

秘書に求められるのは、決して「完璧な記憶力」や「ミスをしない能力」ではないと思います。
大切なのは、自分の特性を理解し、ミスを防ぐ仕組みを作れる力ではないでしょうか。

もしあなたが今、うっかりミスで自分を責めているなら、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。

  • 記憶力に頼りすぎていませんか?
  • ツールを活用できていますか?
  • 1人で抱え込んでいませんか?

小さな工夫でいいんです。
付箋1枚、リマインダー1つ、誰かへの一言。それだけで驚くほど業務は変わります。

頑張っているあなたは十分に秘書の適性があります。
あとは、その頑張りを支える「仕組み」を整えるだけ。

この記事が、忙しい毎日を送る秘書さんの心を少しでも軽くできたらうれしいです。
それでは、秘書のみなさん、今日もお疲れ様です。

いと

新卒で秘書室に配属され、副社長をはじめ複数役員を担当。その後の仕事や家事育児でも秘書経験が土台に。現在は在宅で働き、美味しいコーヒーと読書が至福のひと時です。

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