秘書のみなさん、こんにちは!彩菜です。
私は数年前、約3年間お仕えしていた上司が退任・ご卒業(退職)をされる経験をしました。
ご高齢な役員の秘書を担当されている方や、上場企業や大企業で役員定年制を導入している会社の場合は、いつかやってくるご卒業の日の心構えをされている方もいるのではないでしょうか。
今回は、上司のご卒業を秘書としてサポートする際に心がけた3つのポイントについてご紹介いたします!
目次
役員交代にまつわるMUST事項は抜かりなく
まずは、秘書さんにお馴染みの「役員交代時のお決まりごと」から考えて行きましょう!
どこの企業でも以下のようなことが挙げられるかと思います。
わたしが取り組んだ優先度順にご紹介しますね。
挨拶状の作成、宛名リスト確認、発送
挨拶状は、会社として新体制のご案内をすることもあれば、退任と新任の連名で出すこともあります。
内容や送り先について、現職の上司や総務部・広報部といった関連部門に確認をしながら、間違いなく進めていきましょう。
私の会社では、封筒付き/二つ折りカード【右半分が退任のご挨拶・左半分が就任のご挨拶】タイプを使うことが多いです。
新年度が始まる4月や、株主総会が最も多いといわれる6月には、挨拶状をいただく機会も多いかと思いますので、自分が挨拶状を作る際の参考にストックしておくのがオススメです!
また一番手間がかかるのが宛名リストの作成と精査……前任者からリストを引き継いでいても、お相手先の役員体制が変わっていることもありますよね。
もし引き継いでいるリストがある場合は都度改廃しておくと、いざという時に慌てずに済みますよ。
また、印刷会社とのやり取りの大きな流れは以下の通りになります。
雛形作成依頼
↓
サンプル確認
↓
宛名リスト決定・印刷依頼
↓
印刷
↓
封入・発送
ご覧いただくと分かる通り、何度もやりとりをするため、3週間ほどを目安と考えるのがよいと思います。
役員交代のタイミングから1週間以内には届くように、逆算して取り掛かりましょう。
退任/新任ご本人同士の打合せ、引継ぎの設定
退任を迎える現在の上司と、後任となる方、ご両人同士の打合せについては早々にしっかりと時間をとるようにしました。
といいますのも、次に触れる「お礼行脚」の旅で上司のスケジュールはどんどん埋まっていくからなんです。
後任となる方への引継ぎを優先して済ませることで、上司が安心して「ご自身の卒業」に目を向けられるように心がけました。
あいさつ廻り、アポ依頼の調整
まずは、退任と新任のおふたりが揃ってご挨拶に伺いたいお相手先から、優先してアポ依頼の調整をしました。
私の勤務先では、通常の役員交代時には、新しい体制になってから新任役員のみでご挨拶をすることが多いのですが、ご退任・ご卒業となると最後のご挨拶をしたいというお気持ちが強かったようです。
こちらからの依頼だけでなく、「ご挨拶させていただきたい」と、ご依頼をいただくことも多かったです。
どの企業に行くのか、この優先順位は秘書判断ではなく、できる限り丁寧に上司の気持ちに寄り添うことを心がけました。
ゆかりある地へ「お礼行脚」をプロデュース
長年会社の発展に尽力されてきた役員の退職となりますと、お礼を伝えたい先も数え切れません!
限られた時間の中で希望の場所へできる限り訪問できるよう、専属ツアープランナーとしてアポイント調整、チケット手配、宿手配、会食セッティングの嵐……。
また、私の上司は海外勤務のご経験もあったため、海外も2か国ご訪問。
国内は北海道から九州まで巡りました!
「◯◯が退任するにあたり、お礼のご挨拶に伺いたくご連絡いたしました」
と伝えると、相手の企業様がとても喜んでくださったのが印象的でした。
秘書である私は同行しませんでしたが、訪問地から上司が写真を次々に送ってくださったんです。ほっこりしました。
上司がたくさんの方に愛されていることを感じた「お礼行脚」の旅。
この上司にお仕えすることができて私はなんて幸せだったろうと、秘書冥利に尽きる出来事となりました。
しかし、反省点も……
ただひとつ、反省がのこったのが手土産のチョイス……。
訪問先の人数やお顔触れまで把握できず、仕方がなく小分けで個数の多いお煎餅を無難に選んでしまったのです。
「上司一番の好物」や「オリジナルのメッセージがプリントされたもの」であったり、ご卒業という節目にふさわしい工夫ができればよかったなと少し後悔があります。
秘書の腕の見せどころ!社内の架け橋となる
社内の各所でも「感謝の会」「慰労会」が企画されていました。
そんな時、意外と多かったのが秘書である私へのシークレットな協力要請です。
「こんな写真が欲しい」
「上司とゆかりのある方からビデオメッセージをもらいたい」
「面白いエピソードが欲しい」
「……いいお店知らない?」
なんでもかんでも頼まれてしまうと大変ですが、社内メンバーが望んでいることにどこまで応えられるかは秘書の腕の見せどころ!
秘書と上司が良い関係を築けていると、社内メンバーの期待に沿うような小ネタも提供できることでしょう。
さらに上司側からもこんなリクエストがありました。
「自分が使っていたネクタイを頑張っている若手メンバーに譲りたいけど、誰がいいかな?」
秘書として上司が目をかけている若手は察していたので、何名かの名前をご提案すると満足そうなご様子。
上司と社内メンバー、それぞれとの関係を構築できていたからこそ、架け橋としてつなぐ役割を果たすことができたのだと思います。
番外編 上司へご卒業祝いって必要?私が用意したもの
秘書が個人的に上司に贈り物をしてもよいのか……!?
悩むところですよね。
絶対にしなくてはいけないものではないですし、上司との関係性や会社の慣わし等にもよるかと思います。
あくまで一例として私の考えをご紹介しますね。
その上司とは共通の趣味の話をしたり、奥様ともお茶をさせていただいたり、とても良好な関係でした。
そんな上司だからこそ、ご卒業のお祝いと感謝を個人的に伝えたいと思っていたんです。
「受け取りやすさ」を重視したギフトをセレクト!
退職祝いのギフトを調べると、名前入りのワインやグラス、オリジナルのメッセージボードなど様々なものがでてきますが、私はあえて特別感のないものを選びました!
結局、私が選んだのはご趣味であるランニングで使っていただく「ランニングウォッチ」と奥様の好きな焼き菓子でした。
上司が負担に思わないよう「受け取りやすさ」を重視した結果です。
会社としてお花や、退職祝いの記念品が用意されることも多いかと思いますので、個人的な気持ち次第ですね。
きっとこんなものを贈ったら喜んでくれる!とウキウキ頭に浮かぶようでしたら、それはあなたが秘書として上司と素敵な関係性でいらっしゃる証ですよ。
お世話になった上司には最後の日まで笑顔で!
今回は、上司のご卒業をサポートする際に心がけたポイントについてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
役員を退任・ご卒業されるタイミングに立ち会うことはなかなかないことですが、上司が笑顔でその日を迎えられることは、秘書にとってなによりの喜びですよね。
いつかこの体験談もみなさんのお役に立てれば幸いです。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れ様です!
大手企業の秘書室にて主に国内役員の秘書を経験。
育休復帰後は、秘書業務、総務・労務・人事などを担当し、
現在は教育分野へのキャリアチェンジを目指して学び直し中!
私生活でも手土産やお店選びが大好きです♪
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