秘書みなさん、こんにちは!
「大学で秘書をしています」と話すと周りの人からキラキラした目で見られることが多かった、元大学秘書です。
今回は私の経験に基づいて、大学秘書の業務内容やその詳細についてお伝えしてみます。
実は大学の中で勤務している秘書って意外と多いんです。
一般企業で働く秘書さんとの違いや、大学ならではの苦労などご紹介していきます!
目次
大学秘書の忙しさは研究室次第!
大学秘書といっても勤務する研究室の規模によって、業務内容や仕事の量が異なります。
のんびりとお茶をできる部屋もあれば、仕事が多くて息つく暇もない!疲れる!!という部屋もあります。
ゆっくりとできる部屋ではコーヒーを飲みながらお菓子を食べて優雅なアフターヌンティーを…なんて場所もあります。
羨ましいですね。
でも、今回は私が所属していた「仕事量多め」の忙殺系研究室の話です。
私が勤めていた大学では、研究室ごとに事務員という名の秘書がいました。
研究室によって、秘書の費用の出どころは2つに分けられます。
大学から教室ごとに配当された費用から捻出されるか、教授や准教授の研究費で雇われる場合も。
そんな大学秘書の日常的な業務といえば、何よりも授業関係の準備です!
大学なので、教授や准教授たちは学生たちへの講義があります。
その講義に必要な資料などの準備ををするのは秘書の仕事です。
最近はペーパーレスになってきたものの、まだまだプリント配布が多いので、授業の前日までに学生の人数分印刷します。
私が勤めていたところではいつも100人分を印刷していました。
大学秘書の仕事その①~教室運営に関する業務~
「ふ〜ん、100枚なら余裕余裕〜♪」と思うかもしれませんが、1ページあたり4〜6スライドを掲載したプリントをスライド分だけ印刷します。
主にパワーポイントを利用して講義を行うので、そのスライドをデータでもらって印刷をします。
先生によってはパワーポイントのスライド数が100近くあるので、そんな時は相談して印刷するスライド数を減らすこともあります。
なんやかんやで元になる資料を作成して片面印刷で10枚程度の講義用資料(原本)を作ります。
これを両面印刷すると5枚×100人分なので合計で500枚用意することになるんです。
意外と労力&体力を削がれる仕事です……。
さて、次にこの原本を持って印刷機が置いてある部屋まで行きます。
研究室ごとにプリンターはあるのですが、印刷機は大学が所有・管理しているので、置いてある部屋が決められています。
好きに出入りできるわけではなく、管理室へ行き鍵を借りて印刷室へ向かいますが、タイミングが悪いと別の研究室が使用していることがあり鍵すら借りられないことも……。
特に授業が始まる季節は鍵の争奪戦が勃発します。
鍵をいかにして手に入れられるかが、待ちぼうけをしないですむための方法なので、知恵を絞ります。
私は朝一だと鍵を借りられる率が低いので午後、特に昼休憩時間に印刷室へ行くようにしました。
(あ、もちろん昼休憩を短縮することはせず、お昼時間をずらします。笑)
無事に鍵を手に入れたところでいざプリント量産!
印刷機は、原本から版を作りそれを元に大量印刷します。
そのため複合機と違って一部ずつ刷る必要がります。
時間を軽く見積もったところで1時間くらいかかります。
秘書の仕事その②~研究費関連の仕事~
大学では講義だけではなく教授以下のメンバーが日々研究をしています。
研究を行うために必要な研究費を得るために論文を書いたり、財団に応募したりします。
研究費を得た場合、大元の管理は大学側になりますが、研究室でも把握する必要があります。
年間を通しての研究費なので年度毎に実績報告として使用した研究費の内訳などを出さなくてはならないからです。
また、物品の購入時や納品時に必要となる書類の作成も秘書が行います。
購入時にはどの研究費で購入するのか、搬入先はどこなのかなどの指示を記載します。
これらの作業は日頃から行いますが、年度末になると前述の通り報告書の作成が不可欠です。
報告書には研究者が記載する研究の報告以外にも、使用した物品の詳細の記入が必要になります。
購入時の書類をもとに物品の内容や使用目的を書き込むのですが、その際は納品書を元に各団体(研究費を出しているところ)指定のフォーマットに入力していきます。
研究報告書が結構な曲者で、合計金額が合わない!なんてこともあり、なんども書き直しや計算のし直しが必要になります。
一発で計算が合うことは奇跡に近いです…。
理由としては、研究費の金額が大きく、購入する物品・出張が半端ない数だからです。
この報告書の作成で一ヶ月以上の期間を費やします。
生まれ変わったら経理とは無関係の仕事に就いてやる!と当時は思ったほどです。
こういった作業をしない研究室もありますが私のところでは実績報告に必要な準備をしていました。
秘書の仕事その③~出張の手続き~
先生によってはチケットの手配を秘書が行う場合もありますし、個人で手配する先生もいます。
大学特有の出張管理システムがあるので、その入力は秘書が行う場合が多いです。
チケットを先生ご自身で手配したとしても、出張管理システムに入力しない限り大学人事側での把握ができません。
いつからいつまで出張に行っているという旨を人事担当者が把握し、会計担当が旅費を出張者に入金するために必要な手続きです。
行きと帰りの日程を入力したあと、出張から帰り完了手続きを行うのが出張手続きの流れになります。
これも大学秘書としてはとっても大事な仕事の一つでした。
大学秘書にはコミュ力が必須!
大学の秘書業務はこの他にも来客対応などがありますが、外部講師の講義や共同研究者との打ち合わせ、メディアの取材がない限りそれほど多くありませんでした。
しかし、一般の方からの電話問い合わせや、何かしらの理由でメディアで騒がれた際の電話対応は秘書が担当していたので、そんな時にはバタバタと駆け回る日が多かったです。
企業勤務の秘書さんとは一部異なる業務もあるかと思いますが、総じてやりがいのある仕事だと感じていました。
「大学って変な研究者がいそうだよね」とよく聞かれるのですが、それはその通りです!
したがって、どんな人とでもコミュニケーションを取れるという柔軟な方こそ、大学秘書に向いているかもしれません。
企業での勤務同様に、大学で秘書として働く道も検討してみてくださいね。
秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!
未経験から大学秘書へ転職した野良秘書です。
大人の事情で数年間秘書業務を行い、現在はフリーランスのライターとして活躍中。
趣味は瞑想と美味しいお酒を飲むこと、特技は人の話を聞いているフリをすることです。
大学秘書でも研究室秘書は、主に非常勤職員が多く、事務補佐員という区分になろうかと思います。
国立大学では、常勤職員ではきかないです。
現在、自分は、常勤職員として大学戦略課企画戦略係兼総務係に所属し、学長秘書をしています。
非常勤職員時代も総合大学で役員秘書として執行委員の方の秘書であり、研究室秘書は、一応秘書
という言い方にもなりますが
基本、事務補佐員の区分になるかなと両方の立場を経験しているので、感じております。