秘書の実録レポート!AIに議事録作成を手伝ってもらいました!

秘書のみなさんこんにちは、ナミコです。

私は先日、議事録の文字起こしをする機会がありました。
今回はその際に使ったAIツールを通して感じたことをご紹介します。

AIには得意なこと、苦手と思われることがあるんだなーと感じました。
これから私たち秘書にとっても身近な存在になるであろうAI。
ぜひ、今のうちから仲良くなれる道筋を探っておきたいですね!

他の秘書業務が滞らないよう、AIを導入!

私が今回依頼されたのは2時間に及ぶ会議の出席と議事録作成でした。

私は過去に何度かこの会議には出席したことがあり、議題や出席者については熟知しています。
とはいえ内容のすべてを文字起こしすると、かなりの手間がかかってしまい、他の業務が滞ってしまいます。

そこで今回初めて、議事録作成にAIの力を借りてみることにしました。

使ってみたのはこのツール

今回は出席者が旧知の方ばかりだったため、周囲の許可も得てこちらのツール(CLOVA Note)をICレコーダーと併用して使ってみました。
現在はβ版のため、1つのアカウントで月に300分まで無料で使えます。

こちらはLINEのアプリから簡単に登録でき、スマホだけで録音から文字起こしが完了するお手軽アプリです。
出席者ごとにアイコン別にした文字起こしができるので、複数の参加者がいる会議や学会などにもオススメです。

スマホ、パソコンどちらにも対応しているので使い勝手もいいですね。
また良く使う単語は登録しておくことで誤変換が防げるようです。

ただしセキュリティはご自身の責任において、注意してお使いくださいね。

CLOVA Note公式サイト

さっそく、議事録を作成してみました!

2時間ほどの会議の後、さっそく文字起こしに取りかかりました。
録音したファイルを選択し、展開するだけで音声が文字に変換されるので、とても便利!

一言一句書き写すことが必須ではなく、内容だけおおまかにわかればよい程度なら、記録としてこのまま使えそうです。
個人的には意外に精度が高く驚きました。

AIが苦手なこととは?

その中で、人間のチェックが必要だと感じたポイントは下記のとおりです。

1. 固有名詞

代表的なものは固有名詞です。

社名や人名には、聞いただけでは推測できない漢字がたくさんありますよね。
それは人でもAIでも同じようです。

今回の原稿にも、なぜか前半に「区本部」という単語が頻出し、私の頭は「?」でいっぱいに。
録音を聞き直してみたところ、まさかの「九品仏(くほんぶつ)」という地名でした。

会議の前に東京都の世田谷区にある「九品仏駅」の近くでランチをしてきたメンバーがいて、雑談として連呼していた音声をなぜかAIが拾っていたようです。

また、録音だけでなく翻訳を試す場合は特に注意が必要です。
ローマ字表記の社名や商品名は、似たような言語に親切に翻訳してくれる場合もあるんです。
別件ではそのおかげで文脈がぐちゃぐちゃになってしまったことも(笑)。

翻訳する場合はさらに、人の目と耳を総動員したダブルチェック、トリプルチェックは必須だと感じました。

2. 重なった声

1人ずつの声を聞き分けてくれるAIですが、議論が白熱し、複数の声が重なる場面での文字起こしは苦手そうでした。
例えば

発言者1「〇〇にしようと思いますが、」
発言者2「確かに、それも1案だと思いますが……」
発言者1「あ、もちろん問題点もあるのはわかっています」

というやり取りの場合、人であれば語尾が微妙に重なって発言していても、発言者ごとに聞き分け、書き分けることができます。
しかしAIは「〇〇にしようと思いますが、確かに、それももも、思います」と、一連の会話をミックスして拾っていました。

他にも重ねて発言した2名の内容は明瞭なものだけを拾ってしまい、すべて発言者1の発言のように表現されていました。

またそもそも発言がなかったことになってしまっていたということも……。
もちろん自分で聞き直してみると白熱した議論であれ、誰が発言したかも含めはっきり聞こえています。

しかしAIにしてみれば1人の発言に聞こえるようです。
このような場合は注意深く再チェックが必要だと感じました。

3. 語尾やつぶやき

意識して原稿を読む機会や登壇の機会でもない限り、会話の語尾をはっきりと発音される方は少ないのではないでしょうか。
ましてや大声を張り上げる必要のない会議なら、なおさらですよね。

例えばこのような事例がありました。

「○○に決めちゃっても……(いいですか)?」

というような、その場にいれば難なく通じる無言の提案でも、AIは察することができません。

また、「あ、そういえば○○ってありましたよね……」
というようつぶやきレベルの発言は、冒頭の「あ」だけに省略されていました(笑)。

やはり「行間を読む」のは人間の仕事だと感じました。
逆に言えば、学会や式典など、1人ずつ明確に発言の機会が別れている場合なら、AIの文字起こしの精度もぐっと上がると考えられます。

4. 方言

人間でも訛りの強い方の言葉は聞き取りづらいですよね。
AIもやはり日本語の方言をうまく文字化するのは難しいようです。

例えば関西弁での「そら、いらんわ(それは不要です)」という発言が、「空、イランは」となっていた時は私も思わず固まってしまいました。

最初にチェックした時には、「え?イランの話あったっけ???」と何の話題かまったく思い出せず、録音を聞き直してやっと真意に気づいたほどです。
ネイティブには使い慣れた方言も、AIにとっては難解な言語の1つのようです。

文字起こしの際、あまりにも唐突に話題が飛んでいると感じた際は、方言を疑ったほうがいいかもしれません。
また、会議では時間が進むにつれて参加者がリラックスし、語尾に方言が出やすくなる傾向も見られました。

チェックする際も冒頭からばかりではなく、真ん中あたりから、後ろから、と目線を変えてチェックされることもオススメです。

CLOVA Noteは、良く使う単語を500個まで登録できるようなのですが、方言はキリがなく、さすがに登録する気にはなりませんでした。
今後も方言はネイティブチェックで頑張ろうと思います。

秘書とAI、苦手なことを補い合えば百人力!

実際に試してみて、AIによる100%正確な文字起こしは現在のところ不可能のように感じました。

しかし上述の通り、静かなところで1人ずつ明瞭に発言する講演はAIの得意領域だと思われます。
事前に業界用語などを細かく登録しておけば誤変換も少なく、ほぼ間違いなく聞き取ってくれるのではないでしょうか。

また、AIは計算など数字を用いることや原稿作成など、過去の実例が豊富なことに関しては私より間違いなく得意です。

ことあるごとにAIとライバル関係と思われるわたしたち秘書。
AIをうまく使いこなして業務の負担を軽減できたら言うことなしですよね。

素敵な相棒として得意なことをお任せしつつ、快適な秘書生活を送りたいものです。

それでは秘書のみなさん、お疲れ様です!

ナミコ

現在外資系商社にて、社長秘書、総務業務全般を約10年担当
突発的なトラブルすら面白がる前向きかつ好奇心旺盛な性格で、今日も楽しくお仕事中。
日々の気づきの中、秘書のみなさんと共有したいことを発信していきますね。

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