秘書のみなさん、こんにちは!
ビジネスシーンではお付き合いが色々ありますよね。
組織での地位が上がれば上がるほど、フォーマルな会食や季節のご挨拶の贈り物などへの「お礼」が必要な場面も増えてきます。そんな時にはやはり秘書の出番です!
上司からの「お礼を伝えておいて」「御礼状出しておいてね」の一言でいざ!秘書の出番ですね。
最近はメールやSNSといったコミュニケーションツールの普及で、手紙や御礼状を書く習慣が薄れてきていると感じることもあります。
また、お相手の業種によってはメールで済ませても失礼にならないケースも考えられます。そうは言っても、まだまだ秘書としては御礼状を出すことが多いのではないでしょうか。
そこで今回は手紙や御礼状のマナーについてご紹介します。
目次
そもそも、御礼状を出すのはどんな時?
御礼状を出すのは相手に感謝の気持ちをお伝えしたい時です。
目上の方に会食などでお世話になった、お中元やお歳暮など季節のご挨拶や、贈り物を頂いた、そんな時には御礼状として感謝の気持ちをお伝えします。
またこちらの相談のために時間を頂いた、会社の移転や新規開設でお祝いを頂いた時なども御礼状のタイミングですね。
御礼状を出すタイミングは?
会食ならその翌日、贈り物なら受け取った後になるべく早く出すのがポイントです。
贈り物については「届きましたよ」と報告も兼ねています。
目安として届いて3日以内には出すべきかと思っています。
ただし、お時間を頂いて相談に乗って頂いたことへのお礼は少し事情が異なります。
この場合は相談に時間を割いて頂いたお礼と、その後アドバイスを受けてどうなったかの事後報告も忘れずにお伝えしたいですね。
そのため、まずはお時間を頂いたことへのお礼を差し上げ、その後、相談したことで何か進展があった、改善が見られたなど報告事項ができてから改めて御礼状を差し上げると、より丁寧な印象を与えられるかと思います。目安としては、ご相談から1か月程度でしょうか。
こんな風に新しい取り組みを始めたところですなど、経過報告でも良いと思います。
秘書なら定型で覚えておこう!御礼状の定番パターン
いざ御礼状を書こうと思った時に、「拝啓」「謹啓」「前略」など「あれ?」何を使えばいいの?と迷ってしまうこともありますよね。
私はこれらを「大人の文章」と呼んでいます(笑)だって普段使わないですよね、こんな言葉。
でも一度覚えてしまえば、大丈夫です!さあ、詳しく見ていきましょう。
「頭語」と「結語」は二つ覚えておけばOK!
拝啓-敬具(一般的な御礼状)
謹啓-謹言(お客様や目上の方)
この2パターンのセットを覚えておけば、どんな御礼状にでも使えます。
「拝啓」で始めたお手紙は必ず「敬具」で終わるようにセットで覚えておきましょう。
この場合「拝啓」が頭語、「敬具」が結語ですね。Wordで作成の場合、「拝啓」と入力すると自動で「敬具」と出てきて便利です。私はいつも助けられています…。
「時候の挨拶」はネットで調べればいくらでも出てくる!
「頭語」の次に記載するのが、「時候の挨拶」ですね。1月から12月までその気候にあったものを選んで使うといいでしょう。
5月なら「薫風の候」や「青葉の候」といった感じでしょうか。ただ、私の個人的な方法ですが、お相手やシチュエーションによってはこういった堅苦しい表現を避けて書くこともあります。なんとなく「テンプレートを使用した事務的で冷たい感じ」に見える気がするからです。
例えば2月くらいならこんな感じで柔らかい文章を心がけています。
梅のつぼみも膨らみかけてまいりました
陽ざしが春めいてまいりました〈結び〉
余寒はまだまだ続きそうです、どうぞご自愛ください
このように、季節を感じられ、相手の体調を思う言葉で最後を締めるというパターンが多いです。時候の挨拶は時期を気にするぐらいで、あまり大きな変化は付けずにお送りすることが多いです。
貴社ますます「ご盛栄」?「ご清祥」?
「ご盛栄」と「ご清祥」。なんとなく混同して使ってしまいがちなので、ここで整理しておきましょう。
「ご盛栄」―使う相手は企業でも個人でもOK!
「ご清祥」―使う相手は個人のみ
毎回調べるのが面倒なので、企業は「ご盛栄」、個人宛の御礼状なら「ご清祥」と覚えてしまっています。
また、「表記のゆれ」にも注意が必要!1つのお手紙の中で同じ表現は同じ表記になるよう気を付けましょう。
例えば、
「上げる」「あげる」(「申し上げる」や「差し上げる」など)
「下さい」「ください」
「頂く」「いただく」
どちらも誤りではないですが、御礼状の中で統一したほうが美しいと思います。
本文は上司の気持ちを伝える内容で!
さて、書き出しや結びの部分は定型文でOKとしても、お礼を伝える本文はそうはいきませんよね。ここが秘書の腕の見せ所!書くのは秘書であるあなたですが、当事者は上司です。
会食での会話で印象に残ったこと、贈り物を受け取ってどう感じたかは直接上司に伺って書くのが良いかと思います。
お中元やお歳暮で好物の食べ物を頂いた際などは「きっと上司はこう思ってるだろうな」と想像しやすいため、聞かずに書いてしまうこともありました。ただ、上司との関係性がまだ浅い場合や迷った時には、確認することをオススメします。
特に、相談に乗って頂いた際のお礼や、会食のお礼などは秘書が想像するのは難しいですよね。雑談程度に上司にお気持ちを確認してみると良いかと思います。
ここで例文をご紹介!
例:取引先の会社を訪問し、会食に参加した際の御礼状
謹啓
寒さなお厳しき折、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、心から御礼申し上げます。先日は貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
夕食には御地の特産物でもおもてなし頂き、深謝しております。
美味しい海産物ですっかり御地のファンになりました。また貴社の製造現場を拝見し、理解をより一層深めることができました。
〇〇社長からは弊社への貴重なご意見まで頂戴し、さらに大変有意義な時間となりました。
改めて深く御礼申し上げます。
またお目に書かれますことを楽しみにしております。
末筆ながら貴社の益々のご発展をお祈りしつつ、まずは御礼のみ申し上げます。
今後とも何卒ご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます。謹白
秘書のちょっとした気遣いで、文章の質がアップ!
文章を作成する際、お相手の読みやすさや見た目の美しさを考慮して、文節の途中で改行にならないよう工夫が必要ですね。表現を変えてみたり、読点で調整したり、苦心するポイントです。
私の会社は海外とのお付き合いもあるので、秘書時代は毎年年末に上司の名前でグリーティングカードを発送していました。
カード自体は印刷されたものですが、サインだけは上司の直筆をお願いしていました。スケジュールに「カードにサイン」という予定を30分ほど取っておいて、一気に作業して頂いていました。
サイン1つですが、こうしたちょっとしたことで事務的で無機質なカードに気持ちが込められると思っています。
秘書もちょっとした時に直筆が必要になるタイミングもありますよね。私はきれいな文字を書く同僚が羨ましくて、こっそりダイソーの美文字練習帳で文字の練習をしています!
上司宛に届く御礼状を開封し、すてきな文章を見つけたらどんどん真似していくのも良いと思います。自分だけの「御礼状ネタ帳」を作っておくといざという時スムーズですね。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れ様です!
元秘書です!現在は秘書の経験を生かして広報として活動しています。
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