秘書のみなさん、こんにちは!
日々の秘書業務の中で、時々どこまでが秘書の仕事か、特に上司のプライベートに関して迷うことありませんか?
日系企業か外資系企業なのか。はたまた日本人上司なのか外国籍の上司なのか。
それぞれ状況は違うと思いますが、上司との関係が良好であればあるほど、上司は秘書にあれもこれもと依頼しやすくなり、私たちの悩みは深まっていくような気がします。
ちなみに、上司との良好な関係に関してはこちらの記事に掲載していますので、お時間のある時に読んでみてくださいね。
さて、今回は上司のプライベートに関して私が経験したことをご紹介します!
目次
アメリカ人上司ならではの依頼に、秘書としてびっくり!
アメリカ人はアメリカンフットボールが大好き、というイメージ通り、当時上司だったWさんも毎年、本気でアメリカンフットボールを楽しんでおり、自分の出身地区のチームを熱狂的に応援していました。
突然ですが、みなさんは『ファンタジーフットボール』ってご存じですか?
日本ではあまり馴染みはありませんが、要するに実際のリーグ戦をベースにしたバーチャルリアリティーゲームです。
実在するチームの中から自分の好きな選手を選んで、自分だけのチームを作ります。
そして、選んだ選手たちが実際の試合でどれだけ活躍したか、それに応じてポイントを獲得し、一番ポイントを集めた人が勝利、というルールです。
これを何人かの仲間と競い合うのですが、途中で選手をトレードしたり、本物のリーグ戦のように真剣そのもの!
アメリカンフットボールの他にもサッカーや野球などでも同様のゲームがあるそうです。
そして、Wさんが私の上司だった間、私の業務の中にはこんなものがありました。
「毎年アメリカンフットボールの試合のスケジュールを上司の予定表に記載する。
同様にファンタジーフットボールの成績発表の時間やトレードの時間も予定表に記載すること」
これ、100%上司のプライベートな案件ですよね…。でも、私としては許容範囲でしたのでコツコツと入力を続けていました。
海外出張中に依頼された上司のプライベートな業務
ある年の初め、Wさんのアメリカ出張に秘書である私も同行することになりました。
その出張に関しての打ち合わせを重ねていたところ、突然Wさんから「帰りにサンフランシスコに寄るから、そこへも同行してほしい」と指示が。
どんな用でサンフランシスコに行くのかお伺いしたところ、「ドラフト会議があるからそのサポートをしてほしい」との回答。
「え?ドラフト会議?」ドラフトと言えば、テレビなどでよく目にするプロ野球球団の選手獲得のためのくじ引きですよね。
私はてっきりビジネスに関する案件がドラフト形式で行われるのだと考えていました。
ところが、よくよく聞いてみたところ、本業のアメリカ出張のついでに、サンフランシスコ周辺に住むファンタジーフットボール仲間と集まる約束をしたとのこと。
そうです!なんとファンタジーフットボールの開幕に向けて、自分のチームの選手獲得のために仲間内で集まってドラフト会議を実施するので、そのドラフト会議のサポートをしてほしいという内容だったのです。
疑う余地なく上司の趣味の用事です。プライベート中のプライベートです。
秘書として対応するべきか、断るべきか!?
私は自分が対応するべきかどうかと悩みました。
しかし、今回は本題の出張後のご褒美旅行のようなものだと割り切り、ご依頼の通りに同行して、それなりに楽しんでサポートをしました。
ちなみに、実際サポートした内容は、集まったグループの作ったそれぞれのチームのメンバー表の作成、1週間おきのトレード会議の日時設定、そして会議中のピザの買い出しでした。笑
割り切って同行しましたが、内心は戸惑いながらサポートをしたんです。
その時は出張中ということで特例としましたが、もしこれが日本での就業時間後や週末だったら、ご依頼を断っていた可能性が高いです。
そんな風に考えて非常に迷ったことを覚えています。
外国籍の上司から依頼されたプライベートな業務
この他にも、外国籍の上司の場合にはプライベートのサポートが多くなると思っています。
特に日本語を話さない方の場合には、上司ご本人のみでなくご家族にも手取り足取り生活面での手助けが必要になります。
日本への赴任前は、お住まいの下見のアレンジや同行、その後は引っ越しの手配、荷物の搬入、家具の購入と続きます。
場合によっては日本でご利用になる車の購入のお手伝いをしたり、病院や役所、銀行なども秘書が同行しないと難しい場合が多いです。
海外の方にとっては、日本の文化や風習はとても魅力的なようです。せっかくそんな素敵な国に滞在しているからと、ご子息の七五三のための着物の着付けや神社への付き添いなども対応したことがあります。
外国籍の上司の秘書は、想像以上にプライベートに関する依頼が多いと思います。
あ、そうそう。お財布を忘れたから僕の家に取りに行ってなんてこともありました。
奥様がお誕生日だからバラの花束を買っておいて、などというのも。笑
プライベートな依頼は、秘書として「仕事」と割り切れるかどうかで判断!
一方、私の経験上、日本人の上司の場合は、プライベートな事を依頼してくる方はほとんどいらっしゃらないように思います。
思い当たることとしては、お嬢様のバレエの発表会など、ご家族に関する内容のためにスケジュールを調整する程度。
思い返してみると、私が上司のプライベートに関する依頼を受けるかどうか迷った時は、就業時間内に処理できるかどうか、会社に報告できる内容かどうか、という2点を基準にしています。
もし週末にかかる案件だった場合は、しっかりと代休を頂くようにしています。
ポイントは「仕事としてできる案件」かどうかということですね。
特に外国籍の上司の場合には多少プライベート寄りの内容でも「仕事」と割り切って対応した方が気持ちよく感じて頂けているような気がします。
日本人の上司の場合はご家族に関することに対応したら、奥様から御礼のお菓子を頂いたことがあって、却って恐縮してしまいました。私は仕事のつもりだったんですけどね…。
過去には上司から「今日家族が留守で夕飯がないから、食事付き合ってよ」なんて言われることも何度かありました。
そんな時には社内で良からぬウワサを立てられないように、他の社員も誘って何名かで行くようにしていました。
あくまでも「仕事」という位置付を忘れないように気を付けています。
上司と秘書の関係性が良好な証拠
いかがでしたか?
上司のプライベートに関して「やってあげたいな」と思うのは、上司との関係が良好だという証拠。
決して悪いことではないと思います。
ただ、上司のプライベートに関することにはあまり時間をかけ過ぎない方がよいかと思っています。
仕事の一環として、華麗にサッとこなす秘書の方が周りからかっこよく見えると思います。
そして、ポイントは自分が納得しているかどうか。
「なんでこんなことまで私がやらなきゃいけないのよ…!」と心の中で思いながら対応しているのなら、一度きちんと話し合いをしたり、人事に相談をしてみてはいかがでしょうか。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!
外資系・日系、大手企業から個人事業まで、幅広く社長秘書の経験あり。どんな困難でも楽しむ事が得意です。
趣味はローラースケート・ゴルフ・ツーリング。
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