Hisholioインタビュー、今回はデジタルマーケティングにおけるさまざまなソリューションを提供する、株式会社ラバブルマーケティンググループの秘書、伊東こよみさんです。
大学卒業後から秘書としてキャリアを積んできた伊東さん。過去には秘書ではない道に進んだこともあるそうですが、現在は秘書をご自身の天職としてとらえていらっしゃるとのこと。
その道のりや、転換期での迷いなどじっくりとお伺いしてきました!
目次
意外なきっかけで秘書としてのキャリアがスタート
―伊東さん、今日はよろしくお願いします!
新卒から秘書ということなんですが、最初はどのようなきっかけで秘書となったのでしょうか?
こちらこそ、よろしくお願いします!
私は大学で天文学史を研究していたのですが、大学院に進むつもりでいたため就職活動はしていなかったんです。ところが最終的に学費の面で断念せざるを得なくなりまして(笑)
当時はちょうど就職氷河期だったこともあり、さあどうしようと思っていたところ、学内の掲示板に「秘書募集」という張り紙を見つけたんです。
その求人に直接応募し、卒業前に就職先を決めることができました。
就職先は法律事務所でした。実際に仕事を始めてみると、単なる秘書というよりは「法律事務職員」という感じで、事務所内で起きる事務処理全般を担当していました。
というのも、女性弁護士の先生と私だけのとても小さな事務所だったんです。
先生は法律的な業務のすべてを遂行し、それ以外の部分を私が対応していました。
例えば、請求書の発行や来客対応、先生の手書きのメモを書き起こして書面を作成して裁判所に届けたり。たまに裁判の傍聴をする機会もありました。
新卒から8年間、ずっと2人きりの環境でしたが、様々な経験ができ、とてもやりがいがありました。
地元に帰りたいという思いを胸に…
―長く勤務されたんですね!何がきっかけで転職されたんですか?
私は出身が北海道で、ずっと、いつか地元に帰りたいと思っていたんです。
就職して8年経って、30歳になるタイミングで思い切って退職して地元に戻り、ホテルの総支配人の秘書職につきました。
そこでは、予算関連の資料作成や、総支配人のスケジュール管理・出張手配などの他に、英語ができるスタッフがいなかったので、フロントに外国人のお客様がいらした際にはヘルプに行ったり、宴会場で人手が足りないときにはお皿を下げたり、ブライダルフェアでアテンドもしていました。
在籍期間の後半では、トレーニング・オフィサーというポジションを兼務して、社員への研修も行っていました。
新卒で入社した前職の規模がとても小さかったので、この会社で初めて組織の中で働くという経験をしました。いろいろとできていないことが多くて、すごく怒られたこともありますが、社会人として鍛えられたと思います。
―例えば、どんなことを怒られたんですか?
例えば、入社してすぐのころ、ホテル内の各部門から月次の数字などの報告をもらって、まとめたものを上司である総支配人に送るという業務を担当していたのですが、入社したころは業界独特の用語なども全く理解できておらず、「私はまだ素人だから(分からなくて当然)」という感じで、ただ右から左に渡すだけ、という今にして思えばひどくお粗末な仕事の仕方でした。
ある時、期日までに報告してこない部署があったんです。
上司から「資料どうなった?」と聞かれたので、なんの悪気もなく「あ、〇〇の部署がまだ数字を出してきてないんです」と伝えたら、「それを期日までに提出させるのがあなたの仕事でしょう!」と激しく叱責されてしまいました。当然ですよね。
秘書として上司に怒られたこともショックでしたが、それ以上に自分の無責任さがとても恥ずかしかったです…。
後でこっそり非常口を出て悔し泣きしながら「二度とあんなつまらないことで怒られないぞ!」と誓ったのを覚えています(笑)
あのときの恥ずかしさを思い出すたび、何年経っても穴があったら入りたい気持ちです。
―上司はどんな方だったんですか?
根はとても人情味のある優しい方でしたが、仕事に対してはとても厳しいタイプでした。
組織で働く際に必要な暗黙のルールや、仕事をする上での責任感など、この上司から学んだことは大きかったです。
やっぱり東京へ!転職とともに再度上京
―何がきっかけで転職に至ったんですか?
当時の仕事は本当にやりがいがあったのですが、先々のキャリアを考えるとやはり東京に戻った方がよいのではと思うようになり、転職活動をはじめました。
その時の転職活動は、東京に戻ることと、秘書以外の仕事に就くことを軸としていました。
―秘書をやめたかったのですね。
辞めたかったというより、辞めるしかないと思っていたという感じです。
ホテルで勤務していた当時、秘書を含めた地元のバックオフィス系の求人をみると、女性はとにかく年齢の制限があるものが多くて。気づいたら「秘書も若くないとダメなんだ」と思いこんでしまいました。
仕事はずっと続けていきたいと思っていたので、秘書のままでは年齢を重ねるなかでいつか仕事に困るのではないかという不安を感じたんです。
それで、東京に戻るタイミングでキャリアチェンジしようと思いました。
東京に戻ってきてからは、ファッションリテール業界の外資企業で、店舗の設営や備品のコントロール、レジシステムの導入、など直営店の総務的な業務を担当するリテールオペレーションという仕事に就きました。
その仕事にもやりがいを感じていたのですが、だんだんとあることに気がついてしまったんです。それは、「自分は一人で多くの人を相手にして、みんなの問題解決や依頼に対応していくのではなく、一人を相手にしてじっくりとサポートしていきたいんだ」ということでした。
要は「広く浅く」よりも「狭く深く」という感じでしょうか。
それでやっぱりまた秘書がやりたい!と思って今の会社に社長秘書として入社しました。
「秘書は若いうちだけの仕事」という思い込みからの脱却
―気がついてしまったんですね(笑)
ただ、先ほど北海道から戻った時には「秘書は若いうちだけの仕事なのでは」と危機感を覚えて職種転換したとおっしゃっていました。今、そこについてはどうお考えですか?
東京に戻ってからいろいろな方にお会いしたり、秘書の仕事を探して調べたりしているうちに、私よりもずっと年齢が上でも秘書として第一線で活躍している方がたくさんいらっしゃることが分かり、むしろ経験を積めば積むほど秘書としての価値は高まっていくのだと感じました。
さらに言うと、秘書は私の天職だと思えるようになりましたし、この仕事が最も自分のクオリティを発揮できる職種だと確信し、迷いがなくなりました。
なので、年齢で多少選択肢が減ったとしても、必ず私を必要としてくれる場所はあるという自信がついてきたのもあると思います。
―なるほど。秘書としての自信がついて、ご自身の中での誤解が解けたんですね!ところで、今の上司はどんな方なんですか?
一次面接から代表ひとりで出てこられて驚きましたが、一候補者の私に対してもとても丁寧で人当たりのよい方で、この人とだったら秘書として一緒に仕事をしていけそうだ、という印象を持ちました。
実際に働いてみて、本当に仕事がやりやすいので、毎日楽しいです。
素直になんでもサポートしてあげたいと思えますし、必要以上にかしこまったりすることもなく、フラットな関係性です。
非常に理知的で小さな変化や違和感も見逃さない鋭さをお持ちですが、例えばこちらが行き届かなかったことに対して決して怒ってくるタイプの上司ではないので、だからこそミスのないよう日々気を付けています。
弊社はまだ若い会社なので、上司にとっては私が初めての秘書なんです。最初は一般的な秘書業務であるスケジュール管理、出張手配、資料作成などからスタートしたのですが、マーケティング業務を手伝い始めたり、社内イベントの手配などなど、徐々に業務の幅が広がっていきました。
会社の方向性が大きく変わるタイミングで総務や労務、経理など管理系の業務全般も任せてもらえるようになりましたし、とても柔軟な組織かと思います。
社長秘書として産休・育休を取得
―伊東さんは産休・育休を取得していますよね?どのぐらいの期間だったんですか?
約半年です。育休明けはフルタイムで戻ってきたのですが、復帰して最初の頃は体力的にきつかったですね。
あとは、よくある話ですが、保育園から子どもが急に熱を出したので迎えに来てほしいと連絡があり、仕事が中途半端なまま帰らざるを得ず、本来なら終えられたはずの仕事が翌日までそのまま残っている…とか。ちょっと精神的にダメージありますよね(笑)
でも、そうやって急に帰らなければならない時でも社内で誰一人として嫌な顔をする人がいないんです。
むしろ「大丈夫ですか?」と心配して声を掛けてくれたりもして。そんな時には、本当にこの会社でよかったと感じますね。
そして、だれよりも上司が「無理しなくていいよ」と率先して言ってくれるのもありがたいです。
―産休中、上司の秘書業務はどうしていたんですか?
産休前に総務や経理など秘書以外の仕事は社内の何人かに分散して引き継いでもらいました。
実は、弊社で産休・育休を取得して復職したのは私がはじめてだったんです。
復帰後は、子どもの看護休暇などの新しい休暇制度が導入されるなど、少しずつ環境が整ってきています。
私の働き方が少しでも、これから取得する社員の参考になればと思っています!
―ところで、プライベートはどんな感じですか?
週に1日、夫との間で決めている私の「フリーデー」があるんです。
曜日を決めているのですが、その日は私が自由に時間を使えるよう夫が子どもの面倒を見てくれます。
ネイルサロンに行ったり、映画に行ったり、友達とごはんに行ったり、子育てから離れて自分の時間を持つようにしています。
最近は月に3-4本、映画館に映画を観に行っていますね。マニアックで難解な映画より王道で分かりやすい話題の映画が好きです。
-今後、秘書をやってみたい方へのメッセージやアドバイスはありますか?
秘書って上司によってまったく違う仕事になると思うんです。なので、私が何かメッセージを伝えても、それが他の方の参考になるかどうかは分かりません。
でも、秘書はありとあらゆる過去の経験が無駄にならない仕事ですよね。
私は過去に転職をして複数の業界で働いてきましたが、それぞれで体験したすべてのことが今、役に立っている気がしています。
どんな経験でもいつか自分の役に立つと思って前向きにがんばってもらえればと思います!
―今日はありがとうございました!
株式会社ラバブルマーケティンググループについて
株式会社ラバブルマーケティンググループは、現代の生活者の情報消費行動に寄り添う、
愛されるマーケティング活動(Lovable Marketing)を推進するマーケティング企業グループです。
私たちは、すべてのマーケティングをラバブルにするというビジョンに賛同し、
それを推進する専門性の高いグループ企業でシナジーを生み、
持続可能かつ効果的なM.O.S.(マーケティング オペレーティング サービス)を提供していきます。
IT企業での秘書経験を元に2019年にHisholioを立ち上げました。
秘書さんが元気になれる情報や秘書業務に役立つ情報を発信していきます。
Hisholioを通して、秘書のみなさんの能力や成果が最大限発揮され、もっともっと活躍してもらえる世界を創っていきたいです。
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