秘書のみなさん、こんにちは!
みなさんの素朴な疑問として、「外資系秘書と日系秘書の違いってなに?」と感じる方が多くいらっしゃると思います。
私は過去に外資系企業と日系企業の両方で社長秘書として勤務した経験があるんです。そして、そこには大きな違いがありました!
そんな経験から今回の記事では、秘書として感じた外資系と日系の違いをご紹介します。これから転職を考えている方などにとって、少しでもお役に立てたらうれしいです。
あ。その前に!言うまでもなく上司のお人柄は会社の資本とは関係なくそれぞれです。今回の記事に当てはまらない場合もありますし、上司によって求められることは変わってきます。
では、まず大きな違いからご紹介していきます!
目次
外資系の秘書は「ワンストップショップ」でスピーディに!
「ワンストップショップ」つまり秘書は「〇〇さんに言えば、すべて対応してくれる」という存在です。外資系の場合、上司本人に確認を取ることなく、会議や出張の予定を決めることが多くあります。
例えば社内・社外からアポイントの依頼があった際にも、その場で秘書が決定をします。私の経験から、このスピード感は上司にとっても、とても気持ちがいいみたいですよ。
ここで大切なことは、外資系の秘書の業務はビジネスに直結する可能性が高いということです。したがって、ビジネスの内容や上司の意向など、常に共有しておくことが求められます。上司とのコミュニケーションが不可欠ですね。
また、日本にある外資系の場合多くは3年程度で上司が代わります。というのも、上司は3年程度で何かしら業績を上げて帰国(または次の国へ異動)しなければなりません。上司のキャリアを良くするも悪くするも、秘書の働き次第と言っても過言ではないのです。責任重大ですね。
日系の秘書は「緩衝材」として調和と着実性を!
「緩衝材」つまり日系企業での秘書は、社内・社外と上司の間にある中継地点です。社内においての一つ一つのプロセスに多くの人が関わることが多い日系企業は調和と着実性が大切になってきます。
どんなことにおいてもプロセスに乗っ取って、事が進んでいるかを重要視しなければなりません。どんな時も上司への報連相は忘れずに行うことが大切です。常に従順で上司の方を向いて仕事をする姿勢が求められると言えると思います。日系の場合は上司が代わることはほとんどないので、腰を据えてじっくりと信頼関係が築けるというメリットがあると思います。
ここまでは企業の違いを見てきましたが、さらに上司の人種によっても傾向があるかと思います。もちろん人にもよりますが、秘書のちょっとした気遣いで、上司のストレスが軽減され、動きやすくなるようです。そんなコツも含めてご紹介していきますね。
外資系で外国籍の上司の場合
指示がシンプルで、スピード感を求める場合が多い気がします。指示があった場合には完了までの時間を予め伝えておくとスムーズですよ。個人的な経験として、私はアメリカ企業のアメリカ人上司で「シンプル&スピーディタイプ」の方が性に合っていたように思います。
一方で、私が以前についていたアメリカ企業のイギリス人上司(Fさん)には「いつも僕が気分よくいられるようにするのが君の仕事」と言われ大変驚きました。はじめは冗談かと思いましたが、大真面目でした。
何をすれば上司の気分が良くなるか考えた結果、上司であるFさんの名前入りのメモ帳・付箋・クリアホルダーを制作!予想通りとても気に入っていただけて、上機嫌でみんなに自慢していました。Fさんにとってはモチベーションになっていたようで、少しずつ秘書としても信頼して頂けるようになり、それはそれで良い仕事ができたなって思いました。
外資系で日本人が上司の場合
秘書がどんどん仕事を進めていくことに不安を感じる方もいるようです。良いタイミングで報連相をする事で、安心感を感じていただけると思いますよ。
私はアメリカ企業の日本人上司を何名が担当した経験があります。その中のおひとり(Kさん)には苦労しました。大変神経質な方で、作成した文章の句読点やスペースにこだわりがあったり、他部署の役員と話をしている所を見つけると「何を話していたか」など細かく報告を求められました。「私が何をしても怒るんだろうな、私の事キライなんでしょう」と、負のスパイラルに陥ってしまいました。
今思えば、突然社長に抜擢され、大きなストレス下にいらっしゃったんだと思います。もっとリラックスしていただけるよう気を配れたらもう少し違ったのかもしれません。
日系で外国籍の上司の場合
日系企業の特徴として、プロセスに多くの人が関わるので、アクションまでに時間がかかることにイライラされる方が多いように思います。案件の完了までにどんなステップがあって、現在はどの状況かを伝えてあげることが大切です。「全行程の65%ぐらいまで終わっていますよ」などとパーセンテージで伝えるとわかりやすいようです。
ある日、アメリカ人の上司(Sさん)から相談を受けた経験があります。何か提案するたびに、結論が出ないどころか、何の音沙汰もない状況が当たり前。改善しようにも同じ状況に陥る始末。イライラを抑えている上司がとても気の毒でした。そこで案件ごとにプロセスマップのようなものを作成して一目で分かるようレポートを作成したところ、ある程度イライラは軽減していただけたようです。
全体像が分かると不安が払しょくできますよね。異国での仕事の進め方に慣れていなかった上司には効果的だったようです。
日系で日本人上司の場合
新卒で入社して、長い時間をかけて役員にまで登り詰めたような方の場合、プライドが高い傾向にあるかもしれないですね。上司が「知らなかった」ということがないように各案件の状況をこまめに逐次報告しておくことが大切だと思います。
私の過去の経験をお話しすると、他部署の役員の方から依頼された業務をした時、大した量でもないし自分の業務にも支障をきたさない程度だったため、上司(Tさん)には報告せずにいました。後日、その役員の方がTさんに「この前は助かったよ」とお礼を言ってくださって。私のいないところで褒めて頂いたり、お礼を言ってくださるのは大変うれしいことなのですが、知らなかったTさんは激怒され「君は僕の言う事だけやってればいいんだ!」…とお叱りを受けてしまいました。業務を依頼された時点で、さらっと事前報告をしておけばよかったなと後悔した思い出です。
どこにいても秘書のミッションは同じ!
いかがでしたか?
もちろん国籍などでグループ分けができるわけではないので、今回は私の経験に基づいてお話をしてみました。
日系/外資系の違いについてはまだまだありますが、いずれにしても「慣れ」の問題でもあります。
共通して言えるのは、上司がリラックスして仕事に打ち込める状況を提供しつつ、いかに業績を上げるかを、陰ながら強力にサポートするのが私たち秘書の大きなミッションです!
ご自身の秘書としてのスタイルを見極めてキャリアを選択していってくださいね。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れ様です!
外資系・日系、大手企業から個人事業まで、幅広く社長秘書の経験あり。どんな困難でも楽しむ事が得意です。
趣味はローラースケート・ゴルフ・ツーリング。
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