『Hisholio』編集長が語る“野望”とは?

今までいろんな秘書さんにインタビューをしてきた編集長が、ついに満を持して登場……!『Hisholio』編集長自ら語る、秘書の醍醐味、そしてずっと抱いていたという「違和感」とは?
『Hisholio』新米ライターの安心院(あじみ)が突撃しました!

 

安心院

みなさん、はじめまして。安心院(あじみ)彩と申します。
いつもは編集長が他の秘書さんにインタビューをされていますが、今回は私がナオミさんにインタビューをしてみようと思います!編集長、よろしくお願いします!

編集長
こちらこそ、よろしくお願いします!
なんだか緊張しちゃうね(笑)。

秘書からお花屋さんの経営者に。きっかけは上司のある一言

安心院

さっそくですが、『Hisholio』はローンチからもうすぐ1年半ですね。
あらためて、『Hisholio』に込めた想いを教えてください。

編集長
はい。実は私が秘書になった時は、シンガポールに住んでいたんです。海外支社の立ち上げという特殊な環境で、秘書は私ひとりでした。基本的なことも何も分からないし、かといってだれにも聞けない……と、大きな不安の中でなんとか模索していった記憶があります。
その経験から、もしも当時の私と同じような不安を抱えている秘書さんがいるならば、そんな方々に役立つ情報がまとまっているメディアがあったら良いなと思ったんです。

安心院

ナオミさんご自身の経験がきっかけなんですね!

編集長
ローンチから1年と少し経ち、今では読者のみなさんやライターさんのおかげで、良質なコンテンツがたくさん集まってきました。
それと同時に、秘書は常に臨機応変な状況判断が求められる職業でもありますから、すべてのノウハウをマニュアル化できるわけではないという難しさも感じています。今後は秘書さん同士がお悩みを共有したり、お互いを励ましあえるコミュニティとしても成長させていけたら良いですね。

安心院

『Hisholio』が秘書さんたちの心の拠りどころになったらとても素敵です。
ナオミさんは現在、秘書からお花屋さんの経営者にキャリアチェンジをされています。少し異色の経歴のようにも思えるのですが……何かきっかけがあったのでしょうか?

編集長
そうですよね。きっかけは当時の上司と食事をしていた時なんですが、いきなり「資本家になりなさい」と言われたんです。

安心院

資本家、ですか……?

編集長
はい。私も言われた時全然ピンと来なかったです。上司に「資本家とは何か」の説明からしてもらいましたね。そうしたら「資本主義経済の日本に生まれたのに、資本家にならないのは損だ」とまで言われました。

それからずっと、「私に社長なんてできるのかな?」「もしうまくいかなかったら……」といろいろな想いが頭をよぎって、すごく悩みました。でも、気づいたら「やりたい」という気持ちで頭の中がいっぱいになっていたんです。しばらく悩んだ後、上司に「私、やります!」と宣言していましたね。まだ何をやるかは決めていなかったんですが(笑)。

安心院

思い切りの良さがとてもかっこいいです!
不安もあった中で、決断に踏み切ったのは何か理由があったんでしょうか?

編集長
社会人になって間もない20代の頃から、よく友人や社内の人に「将来は経営者になればいいのに!」と言われていたんです。もちろんみんな冗談だったと思いますが、なんとなく言われたことがずっと心に残っていました。

きっと無自覚に「経営者」という存在に憧れて意識していたんだと思います。そして、あの時の上司の言葉がやっと一歩踏み出すきっかけになって押し出されたと感じています。

安心院

ずっとナオミさんの心の中にあった想いが、上司の方の一言がきっかけで行動に移せたのですね。

編集長
はい。上司からしたら、長年一緒にいて勝手を知っている秘書を失うのは痛手のはず。それでも私の背中を押してくれたのは、まさに親心だと思って感謝していますね。

「イメージと全然違った」、秘書という職業の奥深さ

安心院

とても素敵です。ところで、先ほど冒頭で、ナオミさんが秘書になった時のお話が少し出ました。
なかなかレアなご経験かと思うのですが、いきさつを詳しく教えてください。

編集長
私は昔シンガポールの日系企業で営業や事業責任者として働いていたんです。そこを退職してから、しばらく現地でぶらぶらしていて。
その時たまたま友人が、「とある大手IT企業の海外支社立ち上げで秘書のポジションを募集しているらしいから、やってみたら?」と声をかけてくれたのがきっかけです。でも実は、すぐに応募には踏み切れなくて。

安心院

どうしてですか?

編集長
正直にいうと、秘書って今まで私が歩んできたキャリアからかけ離れているように思ってしまったんです。その時私の中で秘書は「事務職」というイメージが強く、失礼ながらキャリアダウンになるのではないかと悩んでいたんですね。

でも、当時は無職でしたし「日本語ができて、採用の経験がある人」という募集の条件を聞いたら、まさに私のことだったんですよ(笑)。もうこれは応募するしかない、と思って飛び込みましたね。

安心院

『Hisholio』編集長が実は秘書への応募をためらっていたとは驚きです!どんなお仕事内容だったんでしょうか?

編集長
入社してみたらまだ6人くらいの規模で、オフィスの家具を買うところから始まって。当時はとにかく人がいなかったので、仕事の9割は採用業務でしたね。空いた時間で、秘書の仕事をやっていました。どんどん採用して、約1年で80人ぐらいの規模にまで大きくなりました。

先ほども少しお話ししたとおり、秘書は私しかいなくて。その分わからないことも多く戸惑いはありましたが、今考えると自由にやらせてもらえていました。

安心院

実際に秘書として働いてみて、はじめに抱いていたイメージは変わりましたか?

編集長
はい、大きく変わりましたね。すごく奥の深い、面白いお仕事だと思いました。

だって、一番経営者に近いところでビジネスが動くのを見られるんですよ。私がなにげなく発した一言で上司がアイディアを思いついて、急遽会議が招集されたこともありました。
特別なことをしたわけではありませんが、私の言動によって何かのきっかけが作れた経験は、秘書という仕事の醍醐味だなとも思いました。

安心院

そして、そのあと日本に?

編集長
そうなんです。シンガポール支社がある程度軌道に乗ってきた頃、上司が日本に戻るという話になって。秘書である私も日本本社へ転勤になりました。

その時私もすでに現地に10年近く住んでいて、そろそろ日本に帰っても良いかなと思っていたタイミングでした。久しぶりの日本生活はとても楽しみでしたね。

まるで「大奥」……?おどろきの“秘書の掟”

安心院

日本に帰ってからもその方の秘書を?

編集長
はい。帰国後、その上司は副社長のポストについたのですが、引き続き秘書は私ひとりという体制でした。

でも大企業だったので、本社には秘書さんがたくさんいて、なんだか当時の私にとっては「大奥」みたいな異様な雰囲気があったんですね。先ほどお伝えしたような面白さや奥深さは感じる一方で、「違和感」を覚える場面も多くて。

安心院

具体的にどういうことですか?

編集長
たとえば、“秘書は黒子に徹しないといけない”という暗黙のルールがあるように感じました。

私は相変わらず、たとえ相手が役員であってもフラットに声を掛けにいっていたんですね。そうしたら他の秘書さんから、「笹木さんはすごいですね〜」と皮肉のようなことを言われて。

どうやら役員には秘書を通してでないと話しかけちゃいけない、って掟があったようです(笑)。

安心院

それはすごい……。ナオミさんに対して、上司の方からもなにか言われる場面があったんですか?

編集長
いいえ、上司はそんなこと気にしていなかったと思います。あくまで秘書さんたち自身が、そういう制約を自分で作って、「黒子でいつづけることが美学」のように思い込んでしまっていたんじゃないでしょうか。こういう雰囲気やカルチャーは会社によると思いますが。

安心院

すごく分かります。

編集長
秘書は上司が仕事しやすい環境を作って、ひいては会社の業績をあげることが仕事ですよね。その目的のためであれば、黒子のままでいるのではなく、もっと能動的に秘書が動いても良いんじゃないかと思ったんです。

安心院

秘書ももっと前に出てスポットライトを浴びても良いんじゃないか、ということですよね。
他に、実際に秘書としてキャリアを積んでいくなかでここはおかしい、と感じた点があれば教えてください。

編集長
私が感じたのは、評価基準があいまいだということです。だから、せっかく高い能力を持っている人が秘書としての長期的なキャリアを描きづらい

営業は数字目標など、具体的にどのスキルを伸ばせば良いかが明確ですよね。でも秘書という職種は、サポートしている上司次第で属人的な評価になってしまうとか、業務内容に機密性が高いこともあり、がんばっている姿が人の目に触れにくく評価されにくい傾向があると思っています。

安心院

やはり、どんなに仕事を頑張っても評価されないのはつらいですね。

編集長
それだと秘書自身も、もっと上のキャリアを目指そうとモチベーションを持ちつづけるのは難しいと感じました。

実際、すごく優秀な秘書の同僚がやりがいを感じられずに辞めてしまって、とても悔しい思いをしたこともありましたね。もっと活躍できる人材のはずなのに、もったいないと思いませんか?

黒子の衣装を脱ぐ?!「武器」を手に、新しい秘書像を

安心院

おっしゃる通りですね。そんな想いを抱いていたナオミさんからみて、今後秘書はどんな存在になっていくべきだと思われますか?

編集長
もちろん、秘書にもっとスポットライトが当たるような環境作りをしてもらうなど、会社・上司側も変わる必要があります。でもその前に、まずは秘書自身が自分で評価される「武器」を身につけていくしかないんじゃないかと思いますね。

秘書はバックオフィスが中心の仕事ということもあり、「完璧にできて0点、ミスがあったら減点」の世界。でもだからこそ、その「武器」で自ら加点していけるような仕事がしていければ良いなと思いますね。

安心院

なるほど。「武器」を持つために、秘書さんたちは何をしていけばいいでしょうか?

編集長
秘書自身がより主体的に上司を通して経営に参画していって、売上げに貢献する仕事をすることでしょうか。誰の目から見てもこの仕事は秘書さんがきっかけだったよね、と言ってもらえたら本人のやりがいにも繋がりますよね。

安心院

たしかにそうですね!

編集長
経営者の一番近くにいる存在だからこそ、「ただの事務員さん」のままでいるのはもったいない。上司が対等な目線で相談できたり、時には秘書が上司を引き上げていく存在になることが理想的だと思っています。黒子の衣装はもう脱ぎませんか?と言いたいんです。きっと秘書さん一人ひとりが意識改革をしていって、新しい秘書像を作れたら、会社全体……いや、日本経済も元気になると信じています!

安心院

秘書という職業に愛があるナオミさんだからこその「革命」ですね!ナオミさんの内に秘めた熱い野望をお聞きできた気がします。

編集長
そうですね。この気持ちって、秘書という仕事のやりがいや醍醐味を感じている秘書さんなら共感してもらえるんじゃないかと思うんです。

この記事を読んでくださっている方の中に、今の仕事に違和感や疑問、もやもやを感じている秘書さんがいたら、一緒に新しい秘書像を作っていきたいです。
ぜひ私と「革命」を起こしましょう!

安心院

ナオミさん、ありがとうございました!

あなたも一緒に新しい秘書像を作っていきませんか?(編集長より)

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
私の秘書という仕事への想いや、将来思い描いている世界観など、少しでも秘書のみなさんに伝わるとうれしいです。

秘書は経営者の最も近くで、経営者を牽引していける存在だと思っています。
言われたことを言われた通りに実行しているだけではもったいない!

私は秘書という仕事の世の中でのプレゼンスを上げていきたいと思っています。
一見、裏方仕事に見える秘書という職業ですが、これからしっかりと地位を上げて、近い将来、男女問わず憧れの職業になる…。

そんな想いに共感していただける方、ぜひ一緒に新しい秘書像を創っていきませんか。

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安心院 彩

損害保険会社に6年勤め、結婚を機に退職。秘書として1年従事した後に現在はフリーランスライターとして活動中。
趣味は愛犬の散歩、お酒を飲むこと、銭湯めぐり。隠れた特技(?)はバイオリン。

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