Hisholioインタビュー:野村奈央さん ~クロス・マーケティンググループ社長秘書~

Hisholioインタビュー第一回は、ネットリサーチ・アンケート調査・市場調査などのサービスを提供するクロス・マーケティンググループ社長秘書の野村奈央さんです。

現職で初めて秘書職を経験した野村さんの「こだわらない」こだわりや、プライベートでハマっていること、日々の葛藤や失敗談、社長との関係性など色々とお話をお伺いしてきました!

採用アシスタントのポジションに応募し、社長秘書になるまで

―野村さん、よろしくお願いします!
今日は「秘書」をテーマに色々とお話をお伺いできればと思うのですが、野村さんは秘書歴どのぐらいですか?

こちらこそ、よろしくお願いします!
私は現在の会社で初めて秘書の仕事に就いたんです。それまでは働く業界も自分の職種も固定せずに「なんでもやります!」という感じで働いてきました。

弊社への入社時も秘書ではなく、「採用アシスタント」として派遣社員の枠に応募したんです。
ところが、面談を担当してくれた人事の方が「ちょうど弊社で『役員秘書 兼 人事労務』というポジションも募集を始めたところです。雰囲気や職歴から見てすごく向いているかも知れない。どちらを選んでいただいても問題ないのでお任せしますが、どうでしょうか?」と提案してくださったんです。
役員秘書って未経験ではなかなかできない仕事だと思っていたので、これは良い機会だと思いました。
そして人事の方が勧めてくださるなら、きっとそのポジションは自分にマッチしているのだろうなと。それで挑戦したいとお伝えして入社に至ります。

―ご入社してみてどうでした?

入社して最初は、3割が役員秘書、7割が労務という仕事の配分でした。
入社当初の上司が女性の方だったんですが、「野村さんのやりたいことって何?」ってすごくしっかりヒアリングしてくださる方で。
自分としては、可能なら秘書の仕事を増やしていきたかったので、上司や会社の応援もいただき、役員秘書の配分をどんどん広げていただきました。

その後、派遣社員から正社員になり、しばらくして上司も新しい方になって、人事考課で目標設定をするタイミングがありました。
「2~3年後の自分をイメージする」というお題をいただいた時にどうしても労務の仕事の分野での2~3年後のイメージが持てなかったんです。それを率直に当時の上司に伝えて、将来的には秘書の仕事をメインにしていきたいと伝えていました。

でも、言葉で言っているだけではただのわがままになってしまう、そうならないためにもアクションを起こしていました。丁度、自分が伸ばしたい分野の資格試験を受けていたところだったんです。

言葉だけではただのわがまま。行動で伝えるために資格取得を

―それって「秘書検定」ってことですか?

そうですね、秘書検定ももちろん取得したのですが、他に「接客サービスマナー検定」「ホスピタリティ検定」「おもてなし検定」、そして「ウィスキー検定」です。笑

―え!「ウィスキー検定」って秘書業務に役立つんですか?

そう思いますよね。

以前に、社長に同行して経営者が集まるパーティーに参加したことがあるんです。その際、経営者の方々を相手にして、どんな話題で何を話していいのか分からずニコニコしているしかなかったんです。
こういう場では、明確に「私の趣味はこれです」というものがあったほうが話が盛り上がるんじゃないかな、と強く感じました。

元々私はお酒が好きということもあるのですが、経営者の方々もお酒を召し上がる機会が多いと思いますし、ウィスキーなら共通の話題として話が弾むのではないかと思い勉強を始めました。
それをきっかけに、他の資格取得も進めていった感じです。

そんな時、ちょうど社内に新しく「社長室」が創設されて、私もそこへ配属ということになりました。
結局、入社から3年間は人事部に在籍し、4年目からは社長室に配属となりました。
(※ 現在は組織改編のため、社長室は存在しないそうです)

多い日は1人で5~6人の役員の対応をすることも

―今は社内の社長秘書は野村さんだけですか?

そうですね。社長室配属のタイミングで労務の仕事が抜けた分、社長以外の役員秘書業務も担当することになったので、日によっては私が5~6人の国内外役員からの依頼を受けることもあります。

―社長以外の役員さんたちからはどんな業務の依頼があるのでしょうか?

例えば、会食のお店予約やちょっとした買い物、社内会議などのスケジュール調整や資料の準備を依頼されることもあります。
時と場合とその役員ごとによって依頼内容が異なりますね。


秘書の魅力、秘書の面白さ

―ちょっとお話が戻りますが、ご入社当時は労務のお仕事が7割という中で、どうして秘書の割合を増やしていきたいと思ったんですか?

もともと、未経験ではなかなか募集がない3割の役員秘書のお仕事のほうにすごく興味があり、挑戦したい!と思っていたからです。

労務の分野も未経験だったのに、色々なことに挑戦させていただけることはありがたく感じていました。
しかし同時に、労務という領域では、自信のあるホスピタリティ力が求められないのではないか…という思いも持ち始めるようになりました。
人事で上司の面談を受けた際に「野村さんはホスピタリティが高いですね」と褒めていただいたりもして、せっかく自信があり人からも褒めてもらえる長所があるのに、それを生かせないと感じる状況では、やりがいや達成感も感じにくく、モヤモヤしていました。

一方で、秘書の仕事は外部の方との関わりも多いですし、だれかの手伝いをして「ありがとう」という言葉をもらえる環境ってものすごく恵まれているな、と強く感じました。

また、私の性格的にマルチタスクで納期の短い仕事をたくさん持って、どんどんこなしていくことが合っているなあと思って。
そういった意味でも秘書をやってみてこの仕事のやりがいに気づきましたし、自分に向いている仕事だと感じています。

お酒が縮めた、上司との関係性

―ところで、上司である社長との関係性ってどんな感じですか?

うーん…こういう言い方が適切か分からないのですが、一般的な秘書さんよりすごくラフに接している秘書だと思います。笑
「さっき、あんな言い方してしまったが失礼だったかな…」などと気にしなくてよい関係性、という感じでしょうか。もちろん、最初はカチカチな敬語を頑張って使っていました。でもだんだんと関係性の中で余分な敬語が抜けていった感じです。

―具体的にはどういう変化をたどったんですか?

社長から「そんなに気を遣わなくていいよ」と飲み会の席で言ってもらったり、社内の古株社員さんたちから「社長はそういうこと気にしない人なので、もっとラフな感じで大丈夫だと思うよ」とアドバイスをもらったり、という経緯でだんだんと今の関係性ができあがってきた感じです。
今の関係はものすごく仕事をしやすいですし、本当にありがたいと思っています。

―先ほど、ウィスキー検定のお話もありましたが、野村さんはお酒がお好きなんですよね?飲み会の席で上司との距離が縮まった感じですか?

それはありますね。
他の社員も一緒に3-4人の少人数とか、10人以上の大所帯グループなんかで飲みに行く機会を作っていただけるので、その時にゆっくりお話ができるのは本当にありがたいです。
お酒の席では仕事から離れて、趣味や旅行の話などプライベートなことも多く話しますね。

将来への想い、そしてプライベートな時間にハマっていること

―野村さんは今後のご自身をどんな風にお考えですか?

ここまでという枠を決めてしまうのは好きではないので、今の会社や秘書という仕事だけに強くこだわっているわけではないです。
私は転職経験も多いですし、「なんでもやります」というスタンスでいたら、良い縁に恵まれて生きていける、という自信があるんですよね。

どんな場所でも雰囲気を見ながら、柔軟な対応をしていくのは得意ですし。
説明が難しいですが、自分を環境に無理に合わせていく、という感じではなく、自分とその職場の共通点を探して、その上で自分なりの形や方法で進めていく感じでそれぞれの場所に馴染んできたと思います。

最近ヨガにものすごくはまって、先日ヨガインストラクターの資格を取ったんです。いざ資格を取ってみたら、せっかく勉強した知識だし、だれかの何かのために活用したいなと思い始めました。
まだ明確ではないですが、近い将来に秘書の仕事とはまた別の場面でも新しい喜びを感じられたらうれしいな、と思っています。

その一環として、社内に「ヨガ部」というのがあるのですが、インストラクターとして教えられないかな、とアピール中です。笑

―そもそもなんでヨガにはまったんですか?

去年の猛暑で体調を崩してしまったんです。声が出なくなるほどの風邪を長引かせたり、耳が聞こえなくなったり、筋膜異常で背中に激痛が走ったり。
ハードなトレーニングで強い負荷をかけるのではなく、そこから何かゆっくりとした運動をしようとヨガを始めました。

そしたら、ヨガにすごく救われて!体が楽になるとこんなに人生楽しいんだって思うほどでした。もちろん心の変化もあって、仕事でもイライラしなくなりましたね。

仕事でも趣味でも共通した考えなんですが、人から必要とされているものを見つけて、自分にそれを解決できるスキルがあるなら、そこに注力したいと思っているんです。
今回取得したヨガの資格も「メディカルヨガインストラクター」というもので、医学知識を活用して効能や効果を伝えながら、ヨガのポーズを指導して症状緩和のお手伝いをするというものなんです。メンタルへの効果も期待できるんです。
社内のヨガ部で教えられるとしたら、社員の肩こり解消に一役買えたらうれしいですね。

入社してすぐの痛い失敗談

―なるほど。社員の方々の健康に役立てたらうれしいですよね。野村さんにとって、秘書業務の中でこれが嫌!ってありますか?

今は複数の役員を担当しているので、一気に依頼を受けてすぐやらなければならない仕事が重なるとつらいですね。
予定していた自分のプライベート時間が削られるとストレスになるかも。「あー、今日ヨガのレッスン行けないな…」などと思うとくじけそうになります。笑

仕事の内容については今はなんでもこい!という感じで、特に嫌な仕事はないです。
やったことのない業務を頼まれても、新しく勉強できる!とうれしい気持ちになります。きっとヨガの効果かな。
今の私の売りはポジティブさだと思います。

―今までの秘書業務で思い出に残るミスってありますか?

入社して3か月目ぐらいのことなんですが、夕方社長から電話があり、会食のお店に到着したところ予約が取れていないとのことでした。
その場でお店の人に電話を替わってもらって話をしたのですが、やはり予約は取れていないと…。

でも自分の電話で発信履歴を見てみると、私からそのお店に2回電話をかけているんです。
恐らくお店側のミスでキャンセルされてしまったのだと思います。ただ、そうは言っても自分の責任だと思い、細かい事情は一切伝えずに自分のせいだと社長にお詫びのメールを送りました。

すると、その日の夜に「野村さんは1000%悪くないです!」と社長から返信いただいたのです。
無条件で自分のことを信じてくださったことに本当に感動しました。

でも私にとっては入社してすぐの痛い思い出です。二度と同じ失敗をしないように会食のお店への事前確認はマメにするようにしています。
予約が何故かキャンセル扱いになっていたり、日付や時間が違うなど、確認してよかったと思うことが多々あります。
最近はネットで予約できるお店が増えてきたので、やりとりの履歴が残って安心感がありますね。秘書としてはありがたいです。

―今から秘書になりたいと思っている方にメッセージをお願いします。

個人的な考えですが、秘書はこうであるべき!という姿を勝手に作ってしまうと自分を狭めてしまうと思うんです。
そうではなく、実際に業務に取り組みながら、上司が何を求めているのかを考えてその中で自分ができることを見つけて広げていく、というやり方をオススメしたいです。
そんな風に進めていくと自分ができることがどんどん増えていくと思います。

―今日はありがとうございました!

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編集長

IT企業での秘書経験を元に2019年にHisholioを立ち上げました。
秘書さんが元気になれる情報や秘書業務に役立つ情報を発信していきます。
Hisholioを通して、秘書のみなさんの能力や成果が最大限発揮され、もっともっと活躍してもらえる世界を創っていきたいです。

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