秘書のみなさん、こんにちは!彩菜(あやな)です。
子育てや介護をしながら働き続けられるよう、仕事と生活の調和を重視した「働き方改革」が進められていますね。
新年度から復帰を控えているような秘書さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
私は産休・育休から復帰後、時短勤務で秘書のお仕事に戻りましたが、正直なところ不安しかありませんでした。
「時短勤務の私に秘書は絶対難しいと思います!」と直談判したくらいです。
でも、工夫と改革を重ねた結果、上手にこなすことができたんです。
そこで今回は、ママと秘書との両立を実現するために、復帰後に取り組んだ「しごと改革」についてお伝えしたいと思います。
「秘書だからこうでなくてはいけない!」、そんな気持ちが和らいで、少しでもみなさんのご参考になれば幸いです。
目次
1日のスケジュールはリミットを意識して組み立てる
秘書のお仕事のイメージといえば、「上司より早く出社して朝一番にその日の打ち合わせを実施。いつお呼びがかかるかわからず、上司がお帰りになるまで席を外せない。」
実際に私も産休前の働き方はこれに近いものでした。
時短勤務では上司より遅く出社して、早く退社しなければいけないのでそもそも成り立たないと思った私。
工夫をしなくてはコミュニケーションも不足してしまい、業務量もこなせないことは明白でしたので、まずは1日のスケジュールの組み立てを根本から考え直してみました。
朝一番におこなっていた上司との打ち合わせは、昼食後に。
なにかリクエストがある場合は上司からSMSが入るため、昼一番の打ち合わせまでに準備し応えます。
午前中の一番集中できる時間帯に社外との調整メール、社内の日程要件が迫った調整メールの順に、基本すべて回答しきれることを目指します。
午後は資料や御礼状作成、会食場所や手土産リサーチ、少し時間をかけて取り組みたいことを優先順に取り組みます。
退社のリミットは絶対!
仕掛かりがある場合はそれを上司や同僚に伝えたり、分かってもらえる形で残します。
6時間という限られた時間を、最大限集中して効率的に使えるように意識すると、毎日晴々しい達成感を感じるようになりました!
お人柄にもよりますが、朝が弱かった私の上司にとっては、昼食後にコーヒーブレイクをしながらの打ち合わせの方がご機嫌な様子でした。
朝一番にこだわっていたのは私含め周りだけだったのかもしれません(笑)。
秘書同士のマニュアルに潜む罠
会社で決まったスケジュールソフトを使って日々のスケジュールを管理することが多いかと思いますが、実は上司の好みや取り決めごとなど秘書しか知らないことってとても多いですよね。
私の会社では、主担当・副担当と2名の秘書で1人の上司を担当するようフォロー体制をとっています。
休みなどの不在時に対応できるように、日々のスケジュール以外のことはExcelで作ったマニュアルに情報をまとめて、歴代の担当から担当へと引き継がれていました。
しかし正直なところ、情報量が過多になってしまったり、アップデートを疎かにしてしまったり、知りたいことにうまく辿り着けなかったり……。
さらには手書きのノートをお互いに隠し持っていたことも判明!
Excelから情報をピックアップして、自分の使いやすいようにまとめ直していたんです。
なんとなく、人の作ったマニュアルに手を入れたり口を出すのって気が引けるという遠慮からでした。
これでは情報共有の意味をなさないですよね……。
だから!相棒にOneNoteを活用
「ノートにまとめる」ということが好きだった私たちが相性がよいと感じたのが、『Microsoft OneNote』というデジタルノート。
他にもいろいろなデジタルノートサービスがありますが、Microsoft Officeソフトとして会社のパソコンで無料で使えることが多いかと思います。
メリットと感じたのは、まさに手書きのノートのように自由に書き込みができて、複数人で編集が可能であること。
「Need To Knowの原則」を守り、必要な人だけがアクセスできる環境をつくれることなどが挙げられます。
私がどんなことを共有していたかをご紹介しますね。例えば以下のような情報です。
- 今週はお子さんの誕生日プレゼントを買いに行きたいので、早く帰れる日を死守!
- 2.5時間を超える会議のあとには、一服されたい
- 〇〇さんとの会食ではお肉料理を好まれるので、単品メニューも追加すると喜ばれる
- 基本なんでも召し上がるが、東北の日本酒銘柄が揃っていると嬉しい
- ハイヤー運転手さんの〇〇さんとは、役員になる前からのお付き合いで気心が知れている
このようなことを付箋を貼る感覚でコメントを追記したり、マーカーを引いてみたりしました。
堅苦しいマニュアルには書きにくいことも、こそっと耳打ちするような感覚で書き込んでいきました。
この新しい相棒のおかげで、情報が使い勝手よくまとまり、タイムリーに更新していることが安心材料となったんです。
そのため、急な休みや不在時の対応も他の方にお願いがしやすくなりました。
自分がいないと迷惑をかけてしまう、というのはママ秘書にかぎらず秘書が感じる悩みの代表格だと思います。
でも、自分の分身となってくれるような頼もしい相棒=ツールやサービスを頼りにしてみることをオススメします。
定例タスクを当たり前と思わない
以前は毎週月曜日の朝一番に、関係部課長たちに上司の今週のスケジュールを送付するという定例タスクがありました。
前任からの引継ぎで続けてきたものですが、時短勤務の時間の制約を考えたときに難しさを感じたんです。
そこで、そもそもこの情報は誰が求めていて、どんな風に役立っているのか、原点に立ち返って確認をしてみたんです。
今のスケジュールシステムが導入される前はスケジュールが非公開だったようで、必要な人への情報共有として送っていたという事実が判明。
でも、今ではスケジュールを閲覧できる権限をつけられる環境となったので、必要な人はタイムリーにスケジュールを確認できるようになっていました。
つまり、けっこうな負担だった定例タスクですが、絶対必要なものではなかったのです!
定例タスクの目的を見つめ直して解決!
そのため、今週のスケジュールを送付することを廃止。
公開先を確認し、スケジュールの詳細までは公開不要なので会議名称だけで十分だね!など、より今の希望にあった形へとシフトすることができました。
定例タスクの目的を見つめ直し、手段や方法を変えることで解決となりました。
この経験のおかげで他の定例タスクも当たり前と思わずに、今の実態や要望に合っているかという目を持つ大切さを感じました。
定例タスクを他の人にお願いすると想定してみたとき、「ちょっと面倒な作業だな」「どうして必要なんだろう?」と感じたなら絶好の見直しのチャンスかもしれません!
当たり前を変えることは勇気がいりますが、自分をはじめフォローしてくれる人も救われることをぜひ思い出してみてくださいね。
仕事も家庭も完璧を求めない
秘書という仕事、子育てを中心とした家庭でのしごと、実は膨大なマルチタスクという共通点があります。
職業柄、比較的得意だと思っていたマルチタスクですが、単純に2倍になって見事に手が回らなくなりました。
理想があって頑張ることはモチベーションにもつながる大事なことです。
ただ、自分自身でハードルを上げすぎてしまうと、自分が苦しくなるだけ。
さらにいえば周囲も心配でつらくなります。
はなまる満点の完璧だけを合格点とせずに、仕事にも家庭にも小さなゴールをいっぱいつくりましょう!
「午前中のうちに社外からのメールは全部返した!」
「先輩に相談をしたらいい手土産情報を教えてもらえた!」
「帰りにお惣菜を買ってみたら大当たりで子供が完食した!」
自分で自分にたくさんマルをつけてあげることで、忙しい日々に達成感を感じられるようになりますよ。
完璧主義の秘書さんこそ、「いい意味で諦めてみる」を試してみてくださいね。
1番大切なのは周囲への感謝の気持ち
最後に、私が仕事復帰後に一番印象に残った上司からの言葉を紹介します。
すみませんばかりだけど、なにも悪いことしていないだろう?
ついつい勝手に引け目を感じて、遅く出社した時も早く帰る時も、仕事がすべて終わらずなにかを頼まないといけない時も、必要以上に「すみません」「すみませんが…」ばかり口にしていた私。
無意識に多用してしまっていましたが、言われてばかりの相手もいい気持ちはしないですよね。
ママであることに関わらず、誰だってお休みすることもあれば、周囲の力に助けられることもある、大切なのは相手にちゃんと感謝の気持ちを伝えることです。
開口一番に「ありがとうございます!」や、「~してくださって本当に助かりました!」「〇〇さんのおかげで、無事終わりました!」と具体的に感謝の気持ちを伝えることで、お互いにいい気持ちになるものです。
こどもをお迎えに行ったときにも、保育園には「遅くなってすみません」ではなく「今日もありがとうございます!」と伝えましょう。
今回は、ママ秘書として産休・育休から復帰した際に感じたことや、しごと改革についてご紹介しました。
これから復職を目指す方や、子育てとの両立に不安を感じている方のなにかしらの後押しになれたらうれしく思います。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!
大手企業の秘書室にて主に国内役員の秘書を経験。
育休復帰後は、秘書業務、総務・労務・人事などを担当し、
現在は教育分野へのキャリアチェンジを目指して学び直し中!
私生活でも手土産やお店選びが大好きです♪
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