秘書のみなさん、こんにちは! mimiです。
私が現役秘書だった頃、職業を聞かれた際に「秘書をしています。」と答えると、「あぁ、秘書っぽいね!」とよく言われました。
秘書のみなさんはだれでもそんな経験がおありなのではないでしょうか。当時はあまり意識していなかったのですが、やはり先輩や同僚の秘書さんを思い浮かべてみると、みんなどこか「秘書っぽい」部分を持っていらっしゃったように思います。では、そんな秘書に対するイメージとはいったいどのようなものなのでしょうか?
以前、友人達とのホームパーティーで私の秘書の仕事の話になった時、こんな風に言われました。
『真面目そう、モテそう、ハイヒールを履いていそう、華やか、毎日優雅な外食ランチ、気が強そう…』
確かにそんなイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし実際に秘書の世界に足を踏み入れてみると、そんなイメージとはまったく異なる部分がたくさんあったのです。
今回は、そんな秘書の現実についてご紹介したいと思います!
目次
秘書の現実は◯◯なんです!
「ハイヒールを履いていそう」というイメージに関しては、確かにそういう秘書さんもいました。
私も秘書になりたての頃は、ヒールの高い靴でお仕事をしていました。しかし担当した上司は超多忙なうえ、決まってミーティングは終了予定時間を過ぎてしまうタイプでしたので、私は毎日会議室まで走って行ってメモを入れたり、来客時には名刺入れと上着を持って、オフィス内で上司を探し回ることもありました。
ですからピンヒールを履いていると、帰る頃にはふくらはぎはパンパン、足の指先はもう曲がってしまいそうに…その為、上司の予定が立て込んでいる日はフラットシューズを履いていましたし、社内履きを用意している秘書さんもいましたよ。
「毎日優雅にランチしていそう」というイメージに関しては、私の場合まったく当てはまりませんでした(泣)
午後イチで外出の予定が入っているのに、ランチタイムになっても上司が打ち合わせから戻って来なければ、呼びに行かなければなりませんし、一日中予定がぎっしり詰まっている場合は「ちょっと悪いけどサンドイッチ買って来て!」などと頼まれておつかいに走ることもあります。
ランチタイムでも取引先からの電話が鳴ることもあるため、会社用携帯は常に手離せずいつでも臨戦態勢。
そのため、基本的にはお弁当を持って行ったり、近くのお店やコンビニですばやくお昼ご飯を調達し、デスクでささっと食べることが多かったです。
たまに上司の出張が入ると、ここぞとばかりに(上司の出張手配と同じくらい迅速に)近くのビルで勤務する友人とのランチの約束を取り付けていました(笑)
秘書って、実際は地道に頑張ってます
華やかなイメージが先行する秘書の仕事ですが、実際は上記の通り、徹底的に影に徹することのできる黒子精神が必要とされるお仕事なのです。上司のスケジュールに支障が出ないようにすることは当然のこと、上司の時間をいかに有益に使うことができるか、いかに上司が快適に過ごすことができるかを第一としなければなりません。
実際の秘書の仕事とは、上司のスケジュール管理に始まり、ミーティングのアレンジ(出席者の調整、会議室の手配)、また取引先へのアポイントを取ったり、配車手配、出張時には宿泊先やチケットを予約したり、経費精算などの事務処理もこなします。
お茶出しや来客対応はもちろん、会食の後は速やかにお礼状も郵送しなければ、上司が恥をかいてしまいます。
これらの業務は一部を除いて、上司からいちいち指示を受けるわけではありませんし、誰かがチェックしてくれるわけでもありません。
できていて当たり前どころか、先回りして動いて当然なのです。
秘書でよかったと思うことは?
これから秘書を目指す方は、ここまで読んでがっかりされたかもしれませんね。
でも少ないながら、華やかな経験もさせていただきました。不動産関連の企業では、ショッピング施設のプレオープンに連れて行っていただけたり、某高級ブランドのファミリーセールのチケットを頂戴することもありました。
また、取引先との会食をアレンジする機会が多かったので、様々なジャンルのレストランの情報が得られたり、人気の手土産を実際に購入して同僚の秘書さんと試食会をしてみたりと、プライベートでも参考にできるようなこともありました。お客様からのご挨拶やお祝いなどで、ちょっと高級なお菓子をいただく機会もよくあったので、「センスの良い手土産」には自信があります!
その他、慶弔に関する常識やマナーに触れる機会が度々あった為、自身のスキルとして身についたことも秘書の仕事をしていてよかったな、と思うことの一つです。
どんな人が秘書に向いているの?
孤独な仕事に耐えられる人
秘書は基本的に孤独な仕事である、と私は思っています。同じ秘書というポジションが他にいない、という方もいらっしゃるでしょうし、他の社員に言えない秘匿性の高い情報を抱え込まなければならないこともあります。時には他の役員や中間管理職の方々との間で板挟みになってしまうこともしばしばです。
年末には取引先へ送る年賀状を発注するため、一人で膨大なエクセルデータとにらめっこしなければならないこともありました。
話し上手、聞き上手な人
秘書は孤独な立場だと書きましたが、社長や役員の方はもっと孤独なお立場にあります。社員の前ではいつでも堂々とした「頼れる上司」でなければなりません。そんなストレスフルな上司が唯一疲れた顔や不機嫌な顔を見せたり、愚痴をこぼせるのは社内では秘書だけかもしれません。時に理不尽な態度を取られても、上手に聞き流し、機嫌が良くなるような話をして空気を和らげることができたら、素敵な秘書さんだなぁと思います。
情報収集能力の高い人
縦横の繋がりを持って、社内外にアンテナを張って有益な情報をキャッチすることも、上司と部下、そして会社同士の関係性や雰囲気をよくすることに繋がります。
例えば私は役員秘書をしていたのですが、社長秘書さんにそれとなくその日の社長のご機嫌を聞いたりしていました。担当上司が社長に悪いニュースを報告しなければならない時、「今日はご機嫌がよいそうですよ。」とこっそり伝えると、急いで社長のアポを取るように指示があり「社長が笑って聞いてくれた。」とホッとした顔で戻って来たこともありました。
特に頼まれていなくても、状況を読んで自ら動けることは秘書としてとっても大事だと思います。
状況把握能力の高い人
上司の朝の顔色一つで今は話しかけない方が良いな、などと察することはもちろんのこと、自身の担当上司以外の方のスケジュールや行動などを広く視界に入れておくことも大切です。
私は一日に数回は「社長、今何してるかわかる?」、「◯◯本部長、見なかった?」などと、自分の担当役員以外の動向を聞かれていました。目の前のパソコンの作業だけに集中するのではなく、「社長、今おでかけになったんだな。」「◯◯本部長、またこっちの部署に来てる。」と周囲を見渡してみるのもよいでしょう。
大変なこともあるけれど、秘書は素敵なお仕事です!
ここまで秘書に対する世間のイメージと現実(私の場合)をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
秘書の仕事はミスが許されない、どんな時でも笑顔でいなければならないお仕事です。大変ですが、秘書の印象が良ければ当然お客様にとっても上司の印象は良くなり、企業間の関係を良好にするお手伝いができるのです。秘書の気遣いひとつで、重苦しい打合せの雰囲気を明るいものに変えることもできます。地道に上司との信頼関係を築いていくことができれば、秘書の仕事はやりがいのある、本当に素敵なお仕事だと私は思います。
世間から特定のイメージを持たれがちな秘書のお仕事ですが、「あなたでなければ」と言われるような、誰からも信頼される秘書像を築いていきましょう。
秘書のみなさん、これから秘書を目指すみなさん、今日もお疲れ様です!
金融、不動産業界にて秘書として勤務してきました。趣味は旅行と寝ること食べること!
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