打っても打っても返事が来ない! バイリンガル秘書の英語メール失敗談

こんにちは。

海外との貿易がメインの会社で、バイリンガル秘書を務めているSAORIです。
小さな会社なので、秘書の私が軽い交渉や広報も担当しています。

今回は、海外の取引先やお客様との英語でのメールについてのお話です。
アメリカ・ヨーロッパと日本では、文化や習慣の違いから、ちょっと勝手が違います。
直接、お目にかかることが少ない海外のクライアントやパートナーとは、メールのやり取りが生命線なのに、慣れない間は失敗ばかりでした!

2週間で完了のはずが、3か月も待たされて…

過去にこんなことがありました。

アメリカに長期出張中の日本の社員が、現地のパートナー会社でちょっとした仕事をし、報酬をいただきました。

パートナー会社の秘書デビー(仮名)から、「今回の報酬については、アメリカ国税庁(IRS)に申告して税金を払ってね」というメールが入りました。
IRSに税金を払うためには、米国にてソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号、略称SSN)を取得する必要があります。

これは、日本のマイナンバーのように個人に付与される番号です。
調べてみると、SSN取得のためには、雇用主(今回の場合は現地パートナー会社)が書いてくれるレターを添付して、SSN事務所に申請書を提出。
だいたい1~2週間でSSNカードが郵送されてくるとのことでした。

デビーは「すぐに紹介状(レター)を書くからね!」とメールをくれました。

1~2週間。そう、最大でも2週間だと思っていたのです!
「SSNの取得は簡単よー」というデビーの明るいメールは、忘れもしない10月のことでした。
しかし、最終的に無事SSNが郵送されてきたのは、年の瀬も押し迫った12月28日のことでした…。

この日本からの社員は、12月31日にアメリカでの交渉の任務を終えて日本に帰国する予定となっており、飛行機のチケットも予約済み。
それまでにSSNをどうしても取得する必要があったのです。
英語があまり堪能でないこの社員の代わりに、日本からメールでデビーとやり取りしていた私は、眠れない日々を過ごしました。

なぜ、こんなことになってしまったのか、原因の1つは私が、アメリカと日本の文化や習慣の違いをよく知らなかったからだと思っています。

失礼でない程度に、ソフトにプッシュ、プッシュ!

最初に受け取ったデビーからのメールには「すぐにレターを書くから、明日取りに来て」という内容でした。
それを現地社員に伝えて、デビーの会社に取りに行ってもらいました。

しかし、受付の人は「デビーは会議で忙しい」と面会させてくれなかったそうです。
その日の夕方、私は以下のようにメールを送りました。
”When can he get the letter? Please let me know. I’m sorry while you are so busy.”
(お忙しいところすみません、レターはいつ頃いただけますか?)

しかし、2週間たっても返事はありません!そろそろ10月末になろうとしていました。
社員の帰国まであと2か月あるけれど、私はだんだんと焦っていました。
国境を越えてビジネスをする場合は不確定要素があるため、何事も早めに確定したいと思っていたのです。

在米15年の日本人の友人に聞いたところ、「そういうときは失礼でない程度に、プッシュしてもいいんだよ」とアドバイスしてくれました。
失礼のない程度の目安として「3日待っても返事がない場合」とのこと。このあたりは日本と同じでしょうか。

3日空けて以下のようなメールを送り続けました。
“Excuse me to remind you again and again. Would you please let me know when he can get the letter.”
(何度も何度も催促してすみません。いつ頃レターをいただけますか?)

すると、11月半ば頃にこんな返事が
”Sorry Saori, I have been out sick with the flu for the week. Just back into the office today. I am catching up on stuff.”
(ごめん、風邪を引いて休んでたんだけど、今日から復帰したわ。すぐやるから)

やったー!と進展を待ったのですが、すぐにまた連絡が途絶えてしまいました。
アメリカでは、大きな祝日であるサンクスギビングが近づいていました。

アメリカの長期休暇をお忘れなく

(一体どうしたの、デビー? おととし私が上司についてアメリカ出張したとき、御社主催のサンクスギビングのパーティーに呼んでくれたよね。
あなた、手作りのジンジャーパイを作ってきてくれて、会社の会議室を松ぼっくりでかわいらしく飾り付けてくれたよね。
いい関係だと思っていたのに、どうして!? っていうか、パーティーの準備は時間かけてしっかりやるくせに、なんでわずか数行の定型のレター書くのに、こんなに時間がかかるのよ!
5分でできるだろう!(怒))

そんなふうに(心の中で)怒ってみたものの、顔も見えず、国境を越えた遥か彼方にいる相手との雲をつかむようなメールのやり取りに疲弊してしまい、「もうだめだ」「わたしの英語がヘンで、デビーの機嫌を損ねてしまったのかなあ」と自分を責めるようになりました。
SSNは一生モノのアメリカの身分証明で、弊社の優秀な社員がそれを取得することは、アメリカでのビジネス拡大をも意味します。
「会社の期待を裏切ってしまった」と、私は落ち込みました…。

そんななか、12月初め、ぽっとデビーから返事が来ました!
”I am sorry it took me a little while to write back. I just got back from vacation.”
(返事遅れてごめんなさい。休暇から戻ってきたばかりなの)」

友人に再び聞くと、「サンクスギビングの前後は実家に帰ったりする人も多く、みんなしっかり1週間は休むのよ。そして長期休暇中に仕事のメールは見ない人が多いわね」とのことでした。
アメリカの長期の休暇は夏休みとクリスマスだけだと思っていた私が無知でした…。

朝10時を狙え!1つのメールに要件は1つ!

ここまでくると、私も悟りの境地に!デビーにはデビーのペースがある。
彼女のスケジュールに合わせよう!私はこんなにがんばってるんだから、失敗したっていいじゃないか!

米国在住の友人がさらにアドバイスをくれました。
「アメリカでは率直が美徳だけど、だからといって失礼なことを言ってはいけないよ。そこは同じ人間だから日本と同じよね。あくまでもソフトに、ね!」

そして、私はある「法則」を見つけました。
デビーはだいたい、私が日本時間の夜中に送ったメールに返事をくれるのです。
そう、日本の夜はアメリカの昼間(DA PUMPもそうやって歌っていますね!)。
友人は「そうね、ごく普通のアメリカ人が仕事のメールを見るのは、朝10時から夕方5時ぐらいまで。早朝や夜間のメールはスルーされやすいかも。土日のメールも読み飛ばされる可能性が高いわね」とのこと。

人によると思いますが、仕事とプライベートをきっちり分けるアメリカと、夜や土日のメールもさかのぼってチェックする日本人とはちょっと違うみたいです。

別の法則も発見しました。ひとつのメールに2つの質問を書いても、答えはいつも1つのみ
友人は「アメリカの都会は、スピード感が大事。メールは簡潔にね。日本語のメールのように『いつもお世話になっております』とか『お忙しいところすみません』とか、毎回書かなくていいのよ。1つのメールに端的に用件は1つ。そうすると返事をもらいやすいよ!」ともアドバイスしてくれました。
案件を分けることによって、同日にメールを複数送っても失礼にはならないのだそうです。

クリスマス前までに何とかしなくちゃ!

(そろそろクリスマス休暇だ!デビーがまた、メールを見なくなってしまうぞ。)
この頃になると、私はほぼ毎日メールを送っていました。
出張している社員の帰国は目前で、もはや緊急事態!だから失礼にはなりません。

”Help me! Debbie, give him your letter!”
(デビー助けて!レターをちょうだい!)
”Emergency! Would you please give me the letter.”
(緊急なの!どうか、レターをください)

12月20日頃、デビーから「レター書いたよ。午後3時に取りに来て」という短いメールが来ました。
取りに行った社員によると、彼女は「ハーイ、また会おうねー」と、引き続き明るくとっても感じの良い方だったそうです…。

わたしのデビーへの催促メールは計20通を超えていました。

多くのアメリカ人は、仕事よりも人生を楽しむことが最重要。
仕事の優先順位は、家族や趣味、家族同様のペットより下で6番目ぐらいだという人もいます。
それが文化なんだと、大変勉強になりました。
もちろん人によって違いますので、本件以降、外国人と仕事をするときには「この人は、どのタイプかな?」と早い段階で判断し、メールを送る時間やスタイルを決めています。
でも読み間違うことも多く、まだまだ失敗も多いんです。

秘書の仕事はなかなかマニュアル通りにはいかないですよね。
こんな失敗をしながらも日々楽しんでお仕事をしています!

秘書のみなさん、今日もお疲れ様です!

 

 

SAORI

日本の大企業でのバイリンガル秘書経験を生かし、欧米向けの貿易会社で英語を生かした仕事をしています。趣味は、現代アートのギャラリーめぐりです。

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