秘書のみなさん、こんにちは! Mikaです
みなさんは社葬を経験されたことはありますか?
恥ずかしながら私はお葬式で、参列者が多いものを「社葬」と呼ぶのと勘違いしておりました。
社葬は執り行う側も参列側にとっても、頻繁にあることではないのですよね。
いざという時、どこから手を付ければいいのかパニックになってしまうのではないでしょうか?
そこで、今回はいざというときに落ち着いて対応できるよう、秘書として心得ておきたい「社葬」の基本的なポイントや、社葬開催に向けた準備項目についてご紹介したいと思います。
「準備をしておくのは縁起が悪い」などと言われることもありますが、「その時」に慌てず対応することが秘書として大事なことでないでしょうか。
目次
いまさら聞けない社葬とは
社葬とは、会社が施主となって執り行う葬儀のことです。
社内の方が亡くなったからといって、必ずしも社葬が行われる訳ではありません。
ご逝去後は遺族の同意を得てから臨時取締役会を開催し、社葬を行うかの決議を行います。
企業によっても異なりますが、社葬の対象となるのは一般的には会社の創業者や、会長、社長、役員などの経営陣です。
また、過去にこうした立場に就任していた方も対象とされることが多いです。
さらに、会社に大きく貢献した方や、業務中の事故で亡くなった方も社葬となることがあるようです。
会社が主体となって執り行うため、個人が執り行う一般葬とは大きな違いがあります。
一般葬だと、打ち合わせを行い、弔問を受けるなど、葬儀全体を取り仕切るのは「喪主」となります。
それと同時に、葬儀には「施主」という立場の人も存在します。
施主は主に葬儀の費用を負担し、葬儀を運営・サポートする責任者のことです。
通常、一般葬では遺族が喪主と施主を兼任します。
一方で、社葬においては、喪主は遺族が務め、施主は会社が担います。
また、葬儀委員長という立場を設置し、社長や重役がこれを務めることが一般的です。
葬儀委員長は、会社を代表する社葬の最高責任者であり、実質、葬儀の中心的な存在となっています。
社葬に種類があるの?
社葬には、遺族による密葬が終わった後、日を置いてから行われる一般的な意味合いでの「社葬」と、遺族と会社が合同で行う「合同葬」、宗教色や儀式性を抑えた「お別れの会」があります。
どれにするかは企業と遺族が話し合って決定します。
それぞれの特徴を以下にまとめておきますね。
社葬
社葬は上述の通り、企業が施主となります。
喪主や遺族は運営にはかかわらないのが一般的です。
遺族や故人の親戚、親しい方々とのお別れはすでに行っているため、より企業色の強い葬儀となります。
合同葬
合同葬は遺族と企業が合同で執り行う葬儀です。
だいたいの流れは一般葬と同様、それぞれの地域の慣習に習って、火葬前の遺体を前に通夜や葬儀・告別式を行うのが一般的です。
合同葬は中小企業などの同族会社で多く見られる傾向があります。
葬儀費用の負担や運営方法については、会社と遺族が話し合って決めます。
スケジュールが厳しい場合もありますが、葬儀が1回で済むため遺族や参列者の負担が抑えられるというメリットがあります。
お別れの会
お別れの会は、故人の親族や近親者のみで葬儀を執り行ったあとに、後日改めて故人の知人や友人を招いて行われる会のことを言います。
新型コロナウイルスの感染拡大により、葬儀はご親族のみで執り行い、後日故人としっかりとお別れをする「お別れの会」が注目を集めているようですよ。
悩める秘書さんも多いはず。事前準備は縁起が悪い?
秘書になって初めての社葬を経験した後に私が考えたこと、それは「準備次第で完璧にできるかもしれない!」だったのです。
当時、上司から指示をされたものと自身で考え、必要だったものが以下の通りです。
- 緊急連絡簿
- 故人の経歴書
- 遺影用の写真
- 社葬取扱規程(作成は葬儀担当者に依頼)
はじめての社葬の経験から、これらを事前に準備していたおかげで2回目の社葬は慌てることなく、失敗することなく開催することができました。
昔からお葬式の「事前準備」は縁起が悪いと言われタブーとされてきました。
もしもの時の安心とはいえ、まだ生きている人の「お葬式」の準備をするというのは心情的に心苦しいなど、申し訳ない気持ちになるのはごく自然な感情ですよね。
しかし社葬は会社をあげての一大イベント言っても過言ではありません。
社葬は参列者の人数によって大規模なものになりますが、段取りなどが上手くいかず失敗してしまったら会社への印象や評価が下がってしまうため、絶対に失敗のできない行事です。
そのため社葬を必ず成功させるために、事前の準備やリハーサルが大切となります。
秘書と緊急連絡簿
初めて社葬を経験した際、上司に「案内状や訃報FAX出すから名簿持ってきて!」といきなりの指示がありました。
私は「なんの案内状??名簿ってなに!?」と頭がフリーズしてしまいました。
社内にそのような名簿は存在しませんでしたが、年賀状用などに管理をしている取引先などの名簿を提出したところ「これだよこれ!さすが秘書だねぇ」とお褒めの言葉をいただきました。
この時ばかりは日頃の名刺管理が生かされてよかったと胸をなで下ろしました。
この時の経験を元に、万が一の事態に備えて「緊急連絡簿」を新たに作成し、総務部や葬儀担当者と情報共有するようにしました。
膨大な量の参列者情報をしっかりと管理し、速やかに通知状を手配するには、開催以前からの情報整理が肝心です!
「緊急連絡簿」は頻繁にアップデートしておくことをオススメします。
そうすることによって常におおよその案内状の枚数、参列者数を把握することができます。
デキる秘書が準備しておくモノ①
一般のご葬儀でも最も悩ましいと言われるものが、同じく社葬でもとても重要なものになります。
それは遺影用写真です!
慌ただしい葬儀準備の中でも、後悔しない1枚を選びたいですよね。
社内の方のご葬儀の場合、見つからない場合は広報用に使っている写真でも大丈夫です。
しかし可能であれば笑顔で、故人のお人柄が感じられるものをご用意したいですね。
普段から、社員旅行や上司のお誕生日会、会社のイベントなどの際の笑顔の写真をなるべくお手元に用意しておくといいですよ。
また、これは葬儀社から教えていただいたのですが、遺影を選ぶポイントは、故人がカメラ目線で写っているものが良いそうです。
遺族や参列者1人1人が遺影を見ながらお別れをするため、故人の目を見つめてお別れできるように、ピントが合っていて、お顔がしっかりと映っているものが望ましいそうです。
そして最終的には、遺族が良いと思う写真を選ぶことが大切だと思います。
そのためにも選択肢は多いに越したことはありません。
デキる秘書が準備しておくモノ②
そして、社葬の際に必要になるのが故人の経歴書です。
自分の上司が役員に就任された際や、お役職が変わる際に人事と連携して作成、そして都度アップデートをされている秘書さんも多いと思います。
こちらは弔辞や挨拶で使われるため、経歴に誤りや洩れは許されません。
必要な項目となる、生年月日や学歴、職歴、また関連会社の役員兼任の有無など、すべて正確に把握して事前に用意しておきましょう。
社葬における社外通知の出し方
社葬の対象者が亡くなった際、亡くなった日付や葬儀の予定日、死因などを連絡するための通知を出します。
これを「訃報通知状」と呼びます。
秘書のみなさんが日頃から用意しておいた「緊急連絡簿」が役立つのがこのタイミングです!
連絡簿のみなさまに、以下の点に注意しながらお知らせしていきます。
社外に通知を出す際の注意点
社外通知は一般的には案内状の形で郵送をします。その他の方法としてはFAX、新聞広告などでしょうか。
いずれもできる限り迅速にお手元に届くように、文面や封筒記入は社内で分担を決めて効率よく行いましょう。
社葬のご案内状は、新聞などに死亡広告が掲載される前に到着するのが好ましいです。
また、送付枚数が多い時は要注意です!
宛名の間違いがないよう、送付前に緊急連絡簿の確認を怠らないようにしてくださいね。
また、故人には「儀」という敬称を付けます。
最後に、秘書として確認しておきたいこと!
いかがでしたか。
今回は社葬の基礎と秘書としてできる事前準備についてご紹介しました。
「自分の会社はどうなっているのかしら?」と思われる秘書さんは、まず社葬における最も重要な核となる『社葬取扱規程』を確認しましょう。
規程がない場合は担当となる方と一緒に新たに作成する必要があります。
また、規程はあるのに古くなっていて現状に則していないという会社も多いと聞きます。
こまめに更新するのをお忘れなく!
そしてもうひとつ。
社葬を成功に導くために必要不可欠なのは「葬儀社の選定」です。
すべてを社内で対応するのはとても難しいことです。
そこで社葬のスペシャリストである葬儀社をあらかじめ選定し、事前相談をしておくことをオススメします。
結婚式と違い、逝去は急に起こるものです。
いざという時困らないよう、社葬について最低限のポイントを押さえておきましょう。
的確な知識で社葬に対応できれば、社内外ともに秘書として一目置かれる存在になれるかと思います。
不測の事態に備え、知識を身につけて、冷静に対応ができる秘書になりたいですね。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れ様です!
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テキスタイルデザイナー、営業事務を経験し秘書に転身。
秘書歴は約10年。趣味は韓国アイドルの追っかけ。国内外いかに会社を休まずに推しに会いに行くか模索する日々。ヲタ活を出張手配に活かしています!
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