秘書のみなさん、こんにちは! Emilyです。
メールや会議資料、ビジネス文書の作成など、秘書には文章力を必要とする仕事が多くありますよね。
しかし、文章のルールは意外と細かく、複雑なもの。
この記事をご覧の秘書さんのなかにも「自分の文章力に自信がない」という方がいらっしゃるのではないでしょうか?
私は前の職場で後輩たちの文章校正や指導を担当していたため、文章に関する質問や相談を受ける機会も多くありました。
そこで今回は、私の指導経験をもとに「文章のよくあるNG例」をご紹介したいと思います!
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
NG例①主語と述語が対応していない
主語と述語を対応させるのは、文章の基本といえますよね。
しかし、正しく対応させられていない文章を度々見かけます。
以前、後輩が作成した「店舗視察の報告書」をチェックしていたときのことです。
以下のような誤りが見られたため、指摘しました。
× 私は先日、店舗の視察に行きましたが、きれいな店内でした。
〇 私は先日、店舗の視察に行きましたが、きれいな店内だと思いました。
上記の文章の主語は「私」です。
つまり、上の文章は「私は、きれいな店内でした」という意味になってしまい、不適切といえます。
主語と述語が対応していないと、伝えたい意図が曖昧になり、読み手に混乱を与えてしまうかもしれません。
秘書として正確な報告を行うためにも、意識したいポイントですね。
NG例②副詞と文末が対応していない
副詞と文末の対応にも要注意です!
副詞のなかには、文末に制限をかけるものがあり、それらを「呼応の副詞」といいます。
たとえば、以下のようなものです。
呼応の副詞 | 文末 |
決して | ~ない |
たぶん・おそらく | ~だろう |
もし | ~なら |
たとえ | ~ても |
まるで・あたかも | ~ような |
なぜ・どうして | ~か |
とくに注意したいのは、長い文を書くときです!
理屈は分かっているつもりでも、長文になると文頭の副詞の存在を忘れて、対応しない文末で終わらせてしまうケースがあります。
また、後輩のメールに以下のような誤りが見られたこともありました。
× 会議は明日に設定しました。なぜなら、明日であれば課長もご都合がつくそうで、もし部長に急用ができても開催が可能です。
〇 会議は明日に設定しました。なぜなら、明日であれば課長もご都合がつくそうで、もし部長に急用ができても開催が可能だからです。
接続詞「なぜなら」のあとは「~だからだ」で終わるべきですよね。
「呼応の副詞」や「なぜなら」はビジネスシーンでもよく使われる表現なので、文末とセットで覚えておくと安心です!
NG例③読点の位置が不自然
プレスリリースの記事執筆を新たに担当することになった後輩から「正しい読点の打ち方が分からない」との相談を受けたことがあります。
打つべき位置が分かりやすい句点に対して、文脈に影響を受ける読点はたしかに難しいですよね。
しかし、読点の打ち方には基本的なルールがあります!
「なんとなく」で打ってしまいがちですが、以下のようなパターンを頭に入れておくと迷いがなくなります!
長い主語のあと
例:新商品開発プロジェクトのリーダーである上司が、参加するべきだ。
逆接のあと
例:上司は多忙だが、趣味の時間も大切にしている。
因果関係のあいだ
例:売り上げが落ちているので、新たなキャンペーンを開始した。
並列する事柄のあいだ
例:総務部が企画を、人事部が運営を、経理部が会計を担当する。
場面や空間が変化するとき
例:店舗の外には、長い行列ができていた。
誤読を避けたいとき
例:私は急いで、出張に向かう上司に声をかけた。(急いだのは私)
例:私は、急いで出張に向かう上司に声をかけた。(急いだのは上司)
文章のリズムを整えるのにも役立つ読点。
上手に使いこなすことで、より読みやすい文章を目指したいですね!
NG例④二重否定の多用
本人のクセだと思うのですが、二重否定を多用する後輩がいました。
二重否定とは、否定の言葉を重ねて使うことです。
強調や丁寧さを表す効果もありますが、使いすぎると少々まわりくどい印象に……。
とくにビジネスシーンでは、誤って解釈されることは致命的。
以下のように言い換えることを提案しました。
× 現場を見なければ、課題は分からない。
〇 現場を見れば、課題が分かる。
× 取引先が、知らないはずはない。
〇 取引先は、知っているはずだ。
上司への報告など、内容を分かりやすく伝えるべきシーンでは、なるべく二重否定を使わないほうが無難かと思います!
NG例⑤漢字が多すぎる、もしくは少なすぎる
ゆるふわな雰囲気をまとう後輩で、徹底したキャラづくりのためか、ひらがなばかりの文章を書く子がいました……!
彼女に書かせれば、ビジネスメールもこのようなテイストになります(苦笑)
〇〇さま
きのうは、たいへんお世話になりました!
たくさんお話がきけて、うれしかったです!
またよろしくお願いいたします!
どうしても稚拙な印象になってしまいますよね。
かといって、漢字が多すぎても堅い印象になってしまうので、何事もバランスが大切です。
適切なバランスは「漢字:ひらがな=3:7」といわれています。
なお、カタカナを含める場合は「漢字:ひらがな:カタカナ=2:7:1」が良いそうです。
この記事も、各章の漢字比率が20~30%になるようにしています!
読みやすさはいかがでしょうか?
上記の後輩はやや極端な例ですが、文章は見た目の印象も大切ですよね。
「専門的な資料では、漢字を増やして信頼感をアップさせる」「依頼のメールでは、ひらがなを増やしてやわらかい印象にする」など、意図的に調整することで質の高いビジネスコミュニケーションを実現できるかもしれません。
ネット上で漢字の含有率を算出できるツールもあります!
1度チェックしてみると、自分のクセに気付けるのでオススメですよ。
秘書として、細部まで抜かりなく!
今回は、私の指導経験をもとに「文章のよくあるNG例」をご紹介しました!
みなさんにとっても、気付きにつながる例はございましたでしょうか?
組織内外との架け橋となり、円滑なコミュニケーションの実現を求められる秘書だからこそ、分かりやすい文章を書く能力は重要な要素!
基本的な文法であっても、日々の忙しさに追われるなかで、つい疎かにしてしまう社会人は意外と多いものです。
細部にまで徹底してこだわることで、秘書としてのプロフェッショナルな印象を高めてまいりましょう!
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!
企業の秘書室に所属し、社長秘書や会長秘書を経験。その後、2023年に独立し、フリーランス秘書へ!働き方やライフスタイルのこと、自分なりの考え方など、企業秘書・フリーランスの両面から幅広いテーマで記事を書いていきたいと思っています!
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