秘書の回顧録 ~忘れられない残念な採用面接~

秘書のみなさん、こんにちは!
今の会社にご入社された際に、どなたも採用の面接は経験されているかと思います。

そこで質問です!
採用面接の後、先方からの合否の連絡を待たずにこちらから次のステップに進むことを断った経験はありますか?
「ある」の場合、どんな理由でどんな風に断ったのでしょうか?
実は私には、そんな経験が過去に2回あるんです。

そもそも採用面接って選ばれなければいけないという弱い立場ではあるものの、こちらも面接官を通じてしっかりと相手の会社を見極めて、選ばなければならないと思うんです。
つまり言いなりではいけないのではないか、と思っています。

面接には事前に相手の会社の事業内容をしっかりと調べていきますよね。でも会社の雰囲気やどんな方々が働いているかは、面接を通じてしか知りえることができません
逆に言うと、面接の場で知り得たことが自分にとってはその会社のすべての情報なんですよね。

今回は私の過去の経験を振り返りながら、秘書の採用面接について考えてみたいと思います!

面接中にダメ出しの嵐!


それは、ある会社との社長秘書としての採用面接でのこと。
面接官は秘書部の部長というお立場の女性の方でした。自分の履歴書に沿って経歴を説明し、面接官の説明に答えるというスタンダードな形式の面接でした。
面接官への説明に適切に、正確にお答えしたいと思い、慎重に考えながら答えていたところ、面接官から指摘を受けたんです。

「質問されてから答えるまでが長すぎる。質問の後に「そうですね…」という言葉を口にするのがとても気になる。社長に対してそんなことではどこの会社の社長もイライラされますよ」

今振り返っても標準的な会話の流れだったと思うし、すべての会社を代表したような言い方をされたことにとても戸惑いました。

面接の終盤で「何か質問はありますか?」と聞かれたので「社長秘書としての1日の流れをお伺いできますでしょうか」と質問したところ、会社は9時からだけど秘書は7時半に出社、社長が読む新聞のアイロンがけ(新聞にアイロンをかけることで手にインクが付かなくなるとの理由でした)、社長室の掃除、そして、社長が出社したら従業員全員が起立して社長が席に着くまで頭を下げるという回答をいただきました。

この時点で、この会社は私には合わなそうだな…という気持ちに支配されていましたが、せっかく面接にお邪魔しましたし、もう1つ質問をさせていただきました。

「御社の社長秘書として気を付けるべきことはどんなことでしょうか?」
この質問には「社長からお声がかかるまで、こちらから話しかけることはしない」という回答だったため、やはり私には難しいと判断しました。

やはり面接に来てみないと会社の中の様子は分からないものですよね。
この面接を通じて、自分に合う会社なのかどうかを見極められたので、自分にとっては有意義だったと思っています。

秘書を困らせる「圧迫面接」!

面接の手法はいくつかあって、それぞれにコミュニケーション能力を見るとか常識レベルを知るなどの目的があると思います。
その中で「圧迫面接」、英語では「ストレスインタビュー」とも呼ばれる手法があります。

これは、その人のストレスに対する耐久性を見るためだとも言われていますが、面接を受ける側としては本当に嫌なものですよね。
特徴としては相手の発言のすべてに対して、否定的・批判的に対応するか、興味を示さない、要は無視をされます。
また面接の間中、相手に対して侮辱するような発言を繰り返し、威圧的で横柄な態度を取り続けるというものです。
そんな面接だったら、あなたならどうしますか?考えただけで胃が痛くなりますよね…。

秘書として覚悟を決めた「圧迫面接」体験談

私の思い出話をもう1つ。
それは上司になる方(Fさん)との直接の面接でした。もちろん初対面だったのですが、Fさんは入室されるや否や挨拶もなくドカッと椅子に腰かけ、ずり落ちそうなくらいの姿勢でイライラしたご様子でした。
そうです!圧迫面接のスタートです!

私がその場にいるのは、その企業に履歴書を提出したところ「来てください」というご連絡をいただいたからです。
自分から無理やり押しかけて行ったわけではありません。
そこで私は、面接の場では面接官と応募者はフェアであるべき!委縮することはやめようと心を決めました。

Fさんの入室で立ち上がったままの私は挨拶をし「お掛けください」の言葉を待ちました。でも、かけられた言葉は「いつまで立ってんの?時間ないんだけど」。
圧迫面接と戦う覚悟を決めた私はそんなことで怖がったり、イライラしたりすることはありませんでした
「大変失礼いたしました。では着席させて頂きます。本日はお忙しい中お時間を頂きありがとうございます」と大人の対応で返しました。

面接官と応募者である秘書はフェアであるべき!


面接がスタートしても面接官の態度は一向に変わらず。
経歴を説明している間、鼻で「ふんっ」と笑われたり、「今までの仕事で一番会社に貢献したと思うことは?」の質問に答えると「それ、あなたが勝手に思ってるだけでしょ」と返される始末。
「経歴の中で戻るとしたらどの会社?」の質問に社名を挙げて回答すると「僕、その会社大っ嫌いなんだよね」との反応…。

面接の間中、ずっと私の経歴書をイライラしたようにボールペンで細かくたたき続けたり、貧乏ゆすりを続けたり、本当に人としてあり得ない対応の数々でした。
最後には「この方、よっぽどストレスが溜まっているんだな」と感じ、気の毒になってしまうほどでした。
もちろんその会社に採用してほしいとは全く思えませんでした。

面接の最後に「何か言い残したことありますか?」と聞かれました。このチャンスを逃すはずはありません!
今でも忘れもしない私のコメントをご紹介します(笑)

「大変失礼ですがこのような圧迫面接は時代錯誤も甚だしいと思いますし、個人消費者を相手にご活躍されている企業としての面接とは思えませんでした。私にとって目の前にいらっしゃるFさんが会社の代表です。私はこの会社の商品を利用したいとは思えませんし、今後、人に薦めようとも思うことができなくなりました。ビジネスがB to C(Business to Customerの略。企業と一般消費者の取引)であるならば、より一層、従業員一人一人が会社のイメージであり、代表であることを自覚して人と接することが大切なんだということを今日学ぶことができました。ありがとうございました」

そしてスッと立ち上がり、一礼をして退室したときのFさんの表情は忘れられません。

秘書の面接、お互いが選ぶ場であることを忘れずに!


思い出すだけで嫌な気分になる経験を披露しましたが、ここで面接というものについてもう一度考えてみましょう。

採用面接は相性が合うかどうかをお互いに判断する場でもあります。採用されたくて無理をして取り繕っていいところばかりアピールするだけではなく、自然な態度で接するのも相手方にとって判断材料になるかもしれません。
そういう意味では、もしかしたらFさんとは腹を割って話せるとても相性の良い関係になれたかもしれませんね(笑)

いかがでしたか?
謙虚で前向きに学ぼうとする態度は決して忘れずに、のびのび仕事ができる会社を選び、選ばれたいですよね。
いつかみなさん全員がそんな会社と出会えることを祈って…。

秘書のみなさん、今日もお疲れ様です!

solla

外資系・日系、大手企業から個人事業まで、幅広く社長秘書の経験あり。どんな困難でも楽しむ事が得意です。
趣味はローラースケート・ゴルフ・ツーリング。

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