秘書のみなさん、こんにちは!ナミコです。
みなさんは「陣中見舞い」を贈られたこと、また、いただいたことはありますか?
言葉は耳にされたことがあっても、お中元やお歳暮に比べると手配する頻度は低い陣中見舞い。
実際に手配したことはない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は手配することが少ないが故に、とまどってしまいがちな「陣中見舞い」についてのマナーや注意点をお伝えしたいと思います。
みなさんの贈答品手配時の参考になれば幸いです。
目次
そもそも、陣中見舞いとは?
まずは陣中見舞いについて、国語辞典で調べてみたところ、このようにありました。
① 戦闘中の将兵の労苦をねぎらうこと。また、その折に持参する金品。
② 多忙な状況にある人などを見舞い、激励すること。また、そのときの贈り物。「選挙事務所へ―に行く」
そもそも「陣中」とは戦争中の陣地、または戦場そのものを指す言葉。
歴史上でも『大坂(阪)夏の陣』などと使われています。
それが転じて、現代では締め切りに追われるバタバタした状況のことを、「戦場」に例えられることもあるかと思います。
そんな戦場のような状況の方に、激励、お見舞いの気持ちを込めて贈るものが、2の意味、総じて「陣中見舞い」と呼ばれているものなのです。
秘書として陣中見舞いを贈るシチュエーション
現代のオフィスシーンでも、鬼気迫る状況は多々ありますよね。
そんな陣中見舞いと聞いて、まず思いつくのは「選挙期間中の選挙事務所へ向けたもの」ではないでしょうか。
それだけではなく、例えば以下のようなシチュエーションが陣中見舞いを贈るをシーンとして挙げられます。
- 新店舗オープンの準備
- セールの準備
- 新製品プレスリリースや発表会、展示会の準備
- 大規模なプロジェクトや建設、工事現場
- 社屋の移転
- 新規開業準備
他にも、
- 受験生への激励
- 文化祭、発表会など公演前の舞台の楽屋への手土産
- 映画やドラマなど作品を作っている現場への差し入れ
- 大会へ向けた合宿の差し入れ
- 小説家や漫画家など、執筆中の方への激励
など、「締め切りが決まっている目標に向けて頑張っている人たちに、激励の気持ちを込めて贈るもの」=「陣中見舞い」と覚えておかれると間違いがないかと思います。
かく言う私も、以前の職場で新事務所への引っ越し準備作業中、他事務所の方から陣中見舞いとして有名店のお菓子をいただいたことがありました。
その時初めて、陣中見舞いが引っ越し準備でも使われることを認識したんです。
黙々とダンボールに書類を詰めていた作業中、豪華なおやつの差し入れがとってもうれしかったのは言うまでもありません。
陣中見舞いを贈る秘書さんへの注意点
「陣中」にいる方は、みなさん何かと戦っています。
そして期間が決まっているため、メンバーはかなり忙しく、目標に向けて集中していることが想像できますよね。
そんな方へ陣中見舞いを贈る際の注意点としては、以下の点が挙げられます。
- 直接訪ねるなら、長居はしない
- 分けられない現金や金券類は控え、個包装で常温保存できる食べ物、コップの用意が不要な飲み物など、その場で消費でき、開封に手間がかからないものを選ぶ
- チームであれば、全員に行き渡る数を用意する
せっかくなら全員の士気が高まるものを用意してあげたいものですね。
また、手紙を添える際や激励の言葉をかける際も、縁起の悪い言葉は避けなければなりません。
具体的には「(試験に)落ちる」「(選挙で)滑る」「破れる(敗れる)」「逃がす」「漏れる」などが挙げられます。
個人的には、カードなどにシンプルに「必勝!」などと書くだけのほうが無難で、相手にも気持ちが伝わりやすいのではないかと思います。
贈り物にのしを掛ける場合は水引は紅白の蝶結びを選び、「陣中御見舞」と書くのが一般的です。
ただし気心知れた間柄であれば、気持ちを表す言葉を入れてもOK。
私は、実際にこういったフレーズも目にしたことがあります。
- 祈必勝!
- 祈合格!
- 祈 御活躍
- 目指せ!甲子園
品物を購入する際、店舗でも相談されてみてはいかがでしょうか。
秘書のみなさん、気をつけて!選挙事務所への陣中見舞いは要注意!
陣中見舞いと聞いて思い浮かべる方も多い選挙事務所への差し入れですね。
こちらはさらに細かな気遣いが必要です。
何の選挙に立候補されているのか
まずは「先方が何の選挙に立候補されているのか」ということを確認しましょう。
選挙の陣中見舞いは、先方の出馬が決定した日から、選挙運動期間中に贈ります。
しかし実は国会議員から町村議会まで、選挙の種類によって選挙運動期間は大きく幅があるんです。
1番長くて17日間、短いと5日間しかありません。
参考)選挙運動期間とは?/上里町
応援の気持ちが法律違反にならないように
また、政治資金規正法や公職選挙法といった法律によって、贈答品の種類や金額にも規制があります。
場合によっては応援の気持ちが法律違反になってしまうこともあり得るので、こちらも注意しなければなりません。
万が一、法律に触れてしまった場合、「知らなかった」では済まされない事態になります。
選挙事務所への陣中見舞いを依頼された場合は、管轄の選挙管理委員会にご相談されることを強くオススメいたします。
金額や品物についても相談に乗っていただけるので安心です。
以前にお世話になっている方が夏の選挙に立候補した際、陣中見舞いとして選挙事務所のみなさんで召し上がっていただける「栄養ドリンク」を差し上げたことがあります。
夏の暑い中、毎日の選挙活動は体力勝負。
とっても喜んでいただけました!
参考)総務省|寄附の禁止
参考)総務省|都道府県選挙管理委員会ホームページ一覧
陣中見舞いをいただいた場合、秘書の対応は?
陣中見舞いをいただいた場合、お相手の方が欲しいのは、お返しよりも勝負の結果ではないでしょうか?
そこで、まずはお礼の言葉とともに結果を報告されることをオススメいたします。
試験や社内プロジェクトであれば、わざわざ文章にしたためなくても、電話やメールでの連絡でも可能かと思います。
人づてで結果を聞くよりも先に直接報告するほうが、気持ちが伝わりますよね。
日を改めて、お礼の気持ちを伝える贈り物や宴席を設けられてはいかがでしょうか。
こちらも選挙の場合は例外で、お礼を口頭で伝えることなどは法律で禁止されています。
陣中見舞いに対するお返しやお礼がなかったとしても、無礼ではありませんのでご注意ください。
陣中見舞いは秘書のスピード感が命!
あまり手配する機会がない陣中見舞いですが、独特のマナーが存在します。
そして激励の意味で贈る陣中見舞いはスピード感が命!
実は幅広く使える陣中見舞い。
いざと言うときに慌てないよう知識を身に着け、迅速に対応したいものですね。
それでは秘書のみなさん、今日もお疲れさまです!
現在外資系商社にて、社長秘書、総務業務全般を約10年担当
突発的なトラブルすら面白がる前向きかつ好奇心旺盛な性格で、今日も楽しくお仕事中。
日々の気づきの中、秘書のみなさんと共有したいことを発信していきますね。
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